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【妊娠期・授乳期の栄養】~年代別の栄養~

   

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特徴

 

妊娠の定義は、受精卵の着床から、胎芽または胎児及び胎児付着物(胎盤、卵膜、臍帯、羊水)を排出するまでの状態をいいます。

 

妊娠期別に呼称が異なり、妊娠16週未満を「初期」、16~28週未満を「中期」、28週以降を「末期」といいます。

 

人における一般的な妊娠期間は、最終月経日の初日を0日として、40週0日(満280日)とされています。

 

その間、胎児は栄養素をすべて母体の血液から補給し、乳児においても主として母乳から栄養素を補給しています。

 

母乳は母親の乳腺中の血液からつくられるため、母体の栄養状態は母体の健康維持のみならず、胎児の発育、分娩、授乳を含めた重要な役割があります。

 

母体の栄養状態が悪いと、母体を犠牲にして胎児を正常に発育させようとする傾向や母乳をつくろうとする傾向があります。

 

そのため、栄養不足は母体に障害をもたらし、胎児や乳児の発育や母乳の量、質にも影響を与えます。

 

この時期の目標は、栄養の質や量が重要になるため、特別な食事を取るのではなく、偏食をしないように心掛けることです。

 

また、妊娠期では胎児の発育や出産準備のために、摂取エネルギー量を初期では50kcal、中期では250lcal、末期では450kcal、授乳期においては母乳の分泌や授乳活動のために350kcal増加させる必要があります。

 

妊娠期・授乳期の栄養の問題点と対策

 

(1)つわり

つわりは妊娠5~6週ごろに現れる食物の嗜好の変化、食欲不振、悪心、嘔吐、胃腸障害などの消化管症状です。

 

妊婦の50~80%にみられますが、妊娠14~16週ごろまでに回復することが多いです。

 

生理的なものでありますが、精神的なストレスが原因となることもあります。

 

つわりが悪化して、栄養失調、脱水症状、代謝障害などの全身障害を示すものを悪阻(おそ)といいます。

 

ーつわりの時期の食事として心掛けたいことー

<献立の工夫>

つわり、悪阻においては、少しでも食べられるときに、食べられる物を食べるようにします。

 

また、においの少ないものや冷やしたものなど献立を工夫し、食べやすいようにします。

 

(2)妊娠貧血

妊娠中は胎児や胎盤にも鉄を使用するため、貧血になりやすいです。

 

妊娠中に最も多くみられる貧血は鉄欠乏性貧血であり、妊娠に起因するものを妊娠貧血といいます。

 

胎児の発育が盛んになる5カ月ごろから母体の血液量が増加しますが、このときに鉄が不足していると貧血が起こります。

 

症状としては、めまい、動悸、息切れ、頭痛などが挙げられます。

 

妊娠貧血になると、早産、分娩時に陣痛微弱を起こしやすく出血量が多くなります。

 

分娩後に子宮の回復が遅れたり、乳汁の分泌が不足するといった問題が起こりやすくなります。

 

ー妊娠貧血を予防するために心掛けたいことー

<鉄の豊富な食品を積極的に摂取する>

タンパク質とビタミンCを一緒に摂取すると、鉄の吸収が高まります。

 

また、赤血球やヘモグロビンが正常につくられるためには、ビタミンB12、葉酸なども必要です。

 

(3)妊娠高血圧症候群

「妊娠高血圧症候群」とは、妊娠20週以降から分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または高血圧にタンパク尿を伴う場合のいずれかで、かつ、これらの症状が単なる妊娠の偶発合併症ではないものをいいます。

 

以前は、妊娠末期に高血圧、タンパク尿、むくみのすべて、またいずれかの症状が現れることを「妊娠中毒症」と呼んでいましたが、2006年の日本産婦人科学会の定義では「妊娠中毒症」という名称は使われず、むくみも定義から外されました。

 

<妊娠高血圧症候群にかかりやすい人>

●高血圧、腎臓病、糖尿病などの持病、病歴がある人

●太りすぎの人

●睡眠不足やストレスがたまっているなど不規則な生活をしている人

●前回の妊娠で妊娠高血圧症候群を起こしている人

 

一般に、妊婦の栄養状態がよいほど、妊娠高血圧症候群にかかる率は低いです。

 

ー妊娠高血圧症候群を予防するために心掛けたいことー

<肥満を予防し、低塩にする>

肥満や食塩の取りすぎは高血圧につながります。

 

適正エネルギー量の食事を心掛けるとともに、食塩の使い方を工夫して、摂取量を抑えます。

 

<タンパク質を多めに取る>

タンパク質は、胎児の発育に不可欠です。

 

タンパク尿が出ている場合は特に注意し、多めに取ることも大切です。

 

 

また、妊娠高血圧症候群の予防、治療には食事療法とともに、十分な休息と睡眠の確保、精神的安静が必要です。

 

 

(4)妊娠時の肥満

妊娠時に肥満になると、胎児が大きくなりすぎたり、骨盤の内側に脂肪が付き、産道が狭くなったりすることから、分娩時間の延長、異常分娩の増加、分娩時の出血の増大が起こりやすくなります。

 

ー体格区分別推奨体重増加量ー

体格区分 推奨体重増加量
低体重(やせ) BMI 18.5未満 9~12kg
普通 BMI 18.5以上25.0未満 7~12kg
肥満 BMI 25.0以上 個別対応

 

ー肥満を予防するために心掛けたいことー

<極端な減食はしない>

極端な減食は胎児に悪影響を及ぼします。

 

タンパク質、ビタミン、ミネラルはしっかり取り、炭水化物、脂質の摂取を制限する食事を心掛けましょう。

 

 

(5)喫煙・飲酒

胎児は有害因子から影響を受けやすく、その結果、死亡や奇形、発育遅延など、さまざまな障害を起こしやすいです。

 

乳児においても、母乳を通して影響を受けます。

 

喫煙 飲酒
母体への影響  ニコチンによって血管の収縮、血圧上昇、心拍数の増加、胎盤の血行障害などが現れる 母体の血液中に入ったアルコールは胎盤を容易に通過し、胎児へと移行する
胎児への影響  母体中の一酸化炭素濃度が高くなることで、胎児への酸素供給が不十分になる  胎児も肝臓でアルコールの代謝を行うが代謝能力が低いため、代謝しきれずに悪影響を及ぼす
胎児への異常  低体重児の出生率が高く、早産、流産、周産期死亡、先天性奇形児などの発生頻度も高い 低体重児や小頭症(注)、心奇形や関節の運動障害、眼瞼下垂(がんけんかすい)などの形態異常を伴う胎児性アルコール症候群の発生などが報告されている
母乳への影響  たばこに含まれるニコチンが母乳へと移行するだけでなく、喫煙者と同じ部屋にいることで、受動喫煙の被害も考えられる  母親が摂取したアルコールは母乳に分泌されるため、乳児への影響が全くないとはいえない

(注)小頭症とは、頭部が異常に小さい病気で、脳の欠損、変性などが生じて、脳が正常に発育しないため、頭部が小さいままになることをいいます。

 

ー喫煙、飲酒で心掛けたいことー

<喫煙、飲酒は避ける>

妊娠中及び授乳中には喫煙、飲酒は避ける。また、受動喫煙の被害を受けないように注意する。

 

 

(6)葉酸の摂取

葉酸は胎児や乳幼児の成長に使われるため、妊娠中や授乳中は特に摂取することが勧められています。

 

葉酸が不足すると、胎児や乳児では脳神経細胞の成長や代謝に異常が現れて、発育不全を起こします。

 

葉酸は妊娠中や授乳中では通常の2倍程度必要となり、妊娠中では240µg、授乳中では100µg多く取ることが推奨されています。

 

 

(7)母乳分泌をよくするための注意点

●良質のタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル(特にカルシウム、鉄)を十分に取る

 

●母乳分泌量に相当するだけの水分を補給する(母乳の約88%は水分であり、水分不足は母乳の出を悪くするため、牛乳、果物、果汁、汁物などで必要量を満たすようにします)

 

●乳房を空にする(乳児によく吸わせて乳房を空にすると、乳腺が刺激されて母乳分泌が促されます)

 

●精神的に安定した生活状態を保つ

 

●十分に睡眠を取る

 

 

 

 

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