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【高尿酸血症・痛風】~病気と栄養~

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病気の概要

 

尿酸は細胞の遺伝子の中に含まれるプリン体(注1)が分解されてできる老廃物であり、腎臓から尿とともに排せつされます。

 

しかし、尿酸が過剰に生成されたり、排せつされにくくなると、血清中の尿酸量が上昇し、高尿酸血症となります。

 

さらに、尿酸は水に溶けにくい物質であるため、過剰に蓄積されると結晶化して関節に付着します。

 

その結果、痛風発作が起きます。

 

本来は、高尿酸血症の段階で治療できればよいですが、無症状のため、実際は痛風発作の発症により治療を開始するケースがほとんどです。

 

痛風発作とは、夜間における母趾関節や足関節に疼痛(注2)が起きたり、腫脹(注3)、発熱が周期的にみられるものをいいます。

 

慢性化すると関節が変形し、痛風結節(注4)を生じます。

 

合併症として高血圧、動脈硬化症、脳卒中、腎障害などがあります。

 

痛風は、圧倒的に男性に多くみられ、女性の場合、閉経後に尿酸値の上昇や痛風発作が増加します。

 

その理由として、女性ホルモンが尿酸の排せつを促しているため、体内に尿酸がたまりにくいと考えられます。

 

(注1)プリン体とは、遺伝を司るDNA(デオキシリボ核酸)とその情報を読み取ってタンパク質を合成するRNA(リボ核酸)を合わせた核酸を構成する成分です。

プリン環という化学物質を有していることからプリン体と呼ばれます。

核酸は、人体はもちろんほとんどすべての食品やアルコール飲料に含まれており、細胞数が多いものほど多くなります。

食品の中では、精巣や卵巣、内臓が乾燥することによって細胞が凝縮されている干物などに多く含まれています。

 

(注2)疼痛とは、ずきずきした痛みのことをいいます。

 

(注3)腫脹とは、体の組織や器官の一部が腫れ上がることをいいます。

 

(注4)痛風結節とは、尿酸が尿酸ナトリウムの結晶となって関節の周辺などに沈着し、こぶ状になることをいいます。

 

食事の基本方針

 

原則は、食事療法と薬物療法(尿酸排せつ促進薬や尿酸生成阻害薬など)を併用することです。

 

肥満者の場合は、体重を適正にすることで尿酸値が下がることもあります。

 

同時にアルコール摂取量を制限し、運動習慣をつくるなどの生活改善も重要です。

 

ただし、過度な運動はかえって血液中の尿酸値を上げる恐れがあるため、運動を行うときは事前に医師に相談するとよいです。

 

(1)プリン体の摂取を制限する

体内には、体外から摂取したプリン体由来の尿酸よりも、体内で合成した尿酸のほうが多く存在するため、プリン体の過剰摂取は血中の尿酸増加の要因になり得ます。

 

プリン体は細胞成分に多く存在するため、魚介類、肉類、豆類、内臓類の摂取を控えます。

 

煮物にするとプリン体が煮汁に移行するため、煮汁を残すようにするのもよいです。

 

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、食品100g当たりのプリン体含有量に応じて、300mg以上:極めて多い、200~300mg:多い、50~100mg:少ない、50mg以下:極めて少ないと分類されています。

 

以前はプリン体を多く含む食品の摂取を厳しく制限していましたが、現在は薬物療法との併用により、1日に摂取するプリン体の量は400mgを超えないようにするよう指導されています。

 

-食品100g当たりのプリン体含有量-

300mg~ 鶏レバー、まいわし干物、いさきしらこ、あんこうきも酒蒸し
200~300mg 豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えび、まあじ干物、さんま干物
50~100mg うなぎ、わかさぎ、豚ロース、豚ばら、牛肩ロース、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、つみれ、ほうれんそう、カリフラワー
~50mg コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼き竹輪、かずのこ、すじこ、さつま揚げ、ウインナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、だいこん、はくさい、海藻類

資料 日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」

 

(2)摂取エネルギー量を適正にする

エネルギー量の過剰摂取を控え、肥満や高尿酸血症の改善を目指します。

 

ただし、エネルギー量の不足は、体タンパク質の崩壊を引き起こし、尿酸の合成を促進するため、注意が必要です。

 

(3)野菜、海藻類をしっかり摂取する

尿が酸性に傾くと、尿酸が溶けづらく、排せつされにくくなるため、尿路結石を起こしやすくなります。

 

そのため、尿をアルカリ化しやすい野菜や海藻類などを積極的に摂取するとよいです。

 

(4)水分を十分に摂取する

尿酸の排せつを促進するため、水分を十分に摂取します。

 

ただし、甘い嗜好飲料やアルコールは避けます。

 

(5)アルコールの摂取を制限する

アルコールは、尿酸の合成を促進させ、さらにアルコールから生じるアセトアルデヒドが尿酸の排せつ作用を制限します。

 

また、エネルギー量の過剰摂取にもつながるので控える必要があります。

 

 

 

 

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