国や自治体のAI関連の調達の公告は、2026年2月から10月10日までで471件。「生成AI」と書かれた案件は52件、職員向けのAI研修は26件
・国内のAIツール比較メディア「AI PICKS」が2026年10月16日、国・自治体・大学・研究機関が出したAI関連の調達の公告を集計した調査を公開した
・2026年2月1日から10月10日までに公告されたAI関連の案件は471件。件名に「生成AI」と書かれたものは52件、職員向けのAI研修は26件だった
・出した機関は、自治体が152件で最も多く、中央省庁・国の機関が149件で続いた。都道府県では東京都が199件と全体の4割を占めた
AIツールの比較メディア「AI PICKS」を運営するエーアイピックスは2026年10月16日、国や自治体などのAI関連の調達をまとめた「自治体・官公庁のAI調達動向調査 2026」を公開しました。
役所でもAIの活用が進んでいると言われますが、実際にどのくらいの案件が出ているのかは、なかなか見えません。今回の調査は、中小企業庁の公開の入札情報から、AI関連の案件を数えたものです。
この記事では、調査で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
8か月あまりで471件。「生成AI」と書かれた案件は52件
まずは、全体の件数を見ていきます。
調査によると、2026年2月1日から10月10日までに公告されたAI関連の調達の案件は、次のとおりです。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| AI関連の案件の合計 | 471件 |
| 件名に「生成AI」と書かれた案件 | 52件(11%) |
| AIのシステムやサービスの導入 | 225件(48%) |
| 職員向けのAI研修・人材育成 | 26件(6%) |
これは公告の件数で、実際に契約が決まった件数や、導入された件数ではありません。分類は、件名をもとに編集部が判断したものです。
最も多いのは自治体。都道府県では東京都が4割
次に、どこが出しているかです。
| 出した機関 | 件数 |
|---|---|
| 自治体 | 152件(32%) |
| 中央省庁・国の機関 | 149件(32%) |
| 研究機関 | 81件(17%) |
| その他の公的な機関 | 60件(13%) |
| 大学・高等教育機関 | 29件(6%) |
都道府県別では、東京都が199件(42%)で最も多く、茨城県30件、北海道24件、広島県17件、埼玉県・山形県・大阪府が各16件で続きました。東京都の件数には、東京にある中央省庁や国の機関の公告も含まれます。
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月ごとの件数は、2月が最も多い
ここで、月ごとの動きも見ておきます。
公告の件数は、2月が102件と最も多く、3月以降は月に40〜50件台で推移しました。10月は10日までの途中の集計で23件です。
調べ方:公開の入札情報から、件名で数えた
最後に、調査のしかたです。
・元のデータは、中小企業庁の「官公需情報ポータルサイト」で公開されている入札・公告の情報
・件名に「AI」を含む案件を中心に、編集部がAI関連と判断したものを数え、関係のない案件は外した
・金額は、公告の段階で公開されていない案件が多いため、件数で集計した
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仕事はどう変わるか:役所のAIの仕事は「導入」だけでなく「研修」にも広がっている
ここからは、調査をもとにした僕の見方です。
今回の調査で見えてきたのは、役所のAIの使い方の「広がり方」だと考えています。
役所がAIを使うというと、問い合わせに答えるAIや、書類を読み取るシステムを入れる話が思い浮かびます。今回の調査では、そうした導入の案件が半分近くを占める一方で、職員にAIの使い方を教える研修の案件も26件出ていました。道具を入れるだけでなく、使う人を育てるところまで、役所の取り組みが広がっていることが分かります。
また、こうした入札の情報は、官公需情報ポータルサイトで誰でも見られます。どんな機関が、どんな目的でAIを求めているのかを知る手がかりになります。
研修や講座の仕事をしている個人事業主にとっても、役所がどんな内容のAI研修を求めているかを公開の情報で確かめておくことは、自分の仕事の内容を考える参考になりそうです。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・この調査は、AIツールの比較メディアが、公開の入札情報をもとに独自に集計したもの
・数えたのは公告の件数で、契約が決まった件数や、実際に導入された件数ではない
・AI関連かどうかや、生成AI・研修・導入の分類は、件名をもとにした編集部の判断。件名に「AI」と書かれていない案件は数えられていない可能性がある
まとめ:国や自治体のAI関連の調達の公告は8か月あまりで471件。導入に加え、職員の研修も広がる
AI PICKSの調査によると、2026年2月から10月10日までに、国や自治体などが出したAI関連の調達の公告は471件でした。生成AIと書かれた案件は52件、職員向けのAI研修は26件で、最も多く出しているのは自治体でした。
役所のAIの取り組みが、システムを入れるだけでなく、使う人を育てる段階に広がっている、というのがいちばん大きな変化です。
役所とかかわる仕事をしている人は、公開の入札情報で、どんなAIの案件が出ているかを一度のぞいてみるのがよさそうです。
出典
・AI PICKS編集部「自治体・官公庁のAI調達動向調査 2026」(2026年10月16日公開) https://aipicks.jp/research/gov-ai
・エーアイピックス プレスリリース(2026年10月16日) https://www.dreamnews.jp/press/0000364914
