Anthropicが軽量モデル「Claude Haiku 5.5」を発表。前のHaikuより費用は約75%安く、パソコン操作の試験で大きく伸びる
・Anthropicが、Claudeでいちばん軽くて速いモデル「Claude Haiku 5.5」を発表した。前のHaiku 4.5と比べて、動かす費用は平均で約75%安くなった
・要約・分類・検索のような、量が多くて単純な仕事や、カスタマーサポート、ブラウザー操作のように速さが要る仕事に向くとしている
・同時に、中位のSonnet 5.5の一部の料金を半分にし、ClaudeのMaxとTeamの契約者に毎月のAPI利用料を付けると発表した
Anthropicは、Claudeの軽量モデル「Claude Haiku 5.5(ハイク5.5)」を発表しました。
Claudeのモデルは、性能の高い順に「Fable」「Opus」「Sonnet」「Haiku」に分かれています(詳しくはAIモデルの早見表で紹介しました)。Haikuは、そのうち最も軽くて速いモデルです。9月に中位のSonnet 5.5を発表したとき、Anthropicは「Haiku 5.5も数週間のうちに出す」としていました。
この記事では、Anthropicの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
Haiku 5.5は「速くて安い」ことを重視した、量の多い仕事向けのモデル
まずは、Haiku 5.5の位置づけを見ていきます。
Anthropicは、Haiku 5.5を「これまでで最も安く、速く、高性能な小型モデル」と説明しています。向いている仕事として、次のようなものを挙げています。
・要約、会話の圧縮、データベースへの問い合わせ、分類など、くり返しの多い軽い作業
・リアルタイムのカスタマーサポートや、ブラウザーの操作など、速さが要る作業
・上位のOpus 5.5やSonnet 5.5がプログラムを書くときの、手伝い役(サブエージェント)
一方で、込み入ったプログラムづくりのような仕事は、引き続きSonnet 5.5やOpus 5.5のほうが向いていると書かれています。
Haikuの系統としては初めて、考える深さを選べる設定(低・中・高・さらに高・最大の5段階)が付きました。
前のHaikuより費用は約75%安く、パソコン操作の試験では大きく伸びた
次に、どれくらい良くなったのかを数字で確認します。
Anthropicの発表によると、主な結果は次のとおりです。
| 試験 | Haiku 5.5 | Haiku 4.5(前の版) | GPT-6 Luna(OpenAIの軽量モデル) |
|---|---|---|---|
| パソコンを操作して作業をやり遂げる試験(OSWorld 2.1) | 72.4% | 15.7% | 48.9% |
| 44の職種の実務を集めた試験(GDPval-AA) | 1620点 | 735点 | 1437点 |
開発者向けの料金は、次のとおりです。
| 料金(100万トークンあたり) | Haiku 5.5(10万トークンまでの依頼) | Haiku 5.5(10万トークンを超える依頼) | Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|
| 入力 | 0.10ドル | 0.50ドル | 1.00ドル |
| 出力 | 0.50ドル | 2.50ドル | 5.00ドル |
Anthropicによると、前のHaikuへの依頼の約90%は10万トークン以下だったため、多くの使い方で安い方の料金が当てはまるとしています。トークンは、AIが扱う文字の量の単位です(トークンの解説記事)。
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Sonnet 5.5の一部の料金を半分に。MaxとTeamには毎月のAPI利用料
今回の発表では、Haiku 5.5のほかにも、次の2つが発表されました。
・Sonnet 5.5の「キャッシュの読み込み」(くり返し使う情報を使い回す仕組み)の料金を、100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルに半分にした。多くの作業で、Sonnet 5.5の費用が約20%下がるとしている
・ClaudeのMaxとTeamの契約者に、Claudeの開発者向けサービスで使える毎月のAPI利用料を付ける
Haiku 5.5は、Anthropicの開発者向けサービスのほか、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureで使えます。Claudeの料金ページでは、Haikuは無料版を含むすべての個人向けプランで使えることになっています。
仕事はどう変わるか:「量が多くて軽い仕事」にも、気軽にAIを当てられる
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
Haiku 5.5で変わるのは、AIを当てる仕事の「範囲」だと考えています。
問い合わせのメールを種類ごとに分ける、たくさんの資料を短く要約する、表の中身を決まった形に整える。こうした「量は多いが、1つずつは簡単な仕事」は、上位のモデルに任せると費用がかさみ、かといって人がやると時間がかかります。軽くて安いモデルが、ある程度の品質を出せるようになれば、こうした仕事にも気軽にAIを使えるようになります。
毎日届く問い合わせや、たまっていく資料の整理を1人でこなしている個人事業主にとっては、「この量ならAIに任せよう」と思える仕事が増えそうです。
使う前に、確かめておきたいこともあります。
・込み入った判断や長いプログラムづくりは、公式も上位のモデルのほうが向いているとしている。仕事の重さでモデルを使い分ける
・Claudeのアプリで使う場合は、モデルを選ぶ画面にHaiku 5.5が出ているかを見る
・開発者向けの料金は、10万トークンを超える依頼で高くなる。長い資料をまとめて渡す使い方では、どちらの料金になるかを確かめる
まとめ:Claude Haiku 5.5は速くて安い軽量モデル。量の多い軽い仕事から任せてみる
Anthropicは、前のHaikuより費用が約75%安く、パソコン操作の試験で大きく伸びた軽量モデル「Claude Haiku 5.5」を発表しました。あわせて、Sonnet 5.5の一部の料金の値下げと、MaxとTeamの契約者への毎月のAPI利用料も発表しています。
量が多くて軽い仕事にも、費用を気にせずAIを当てられるようになるのが、いちばん大きな変化です。
まずは、毎日くり返している分類や要約の作業を1つ選んで、Haiku 5.5に任せてみるのがよさそうです。
出典
・Anthropic「Introducing Claude Haiku 5.5」 https://www.anthropic.com/claude-haiku-5-5
・Claude「プランと料金」 https://claude.com/ja/pricing
