Google Cloudが仕事用のAI「Gemini agent」を発表。自分専用のメールやドライブを持つ「同僚のようなAI」も
・Google Cloudが2026年10月、企業向けの催し「Gemini at Work 2026」で、仕事用のAI「Gemini agent」を発表した。1つの入力欄から、質問への回答、資料づくり、画像や動画の作成、プログラムの作成と実行までをこなす
・「同僚エージェント」は、自分専用のメールアドレス、カレンダー、ドライブを持ち、会社の名簿にも載る。チームのチャットに招いたり、名前を呼んだりして仕事を頼める
・AIは利用者ではなく自分の名前で動き、見せられた情報だけを見る。行動はすべて記録される。報道によると、まずは一部の企業向けの限定的な試験提供から始まり、一般提供の時期は未定
Google Cloudは2026年10月、企業向けの催し「Gemini at Work 2026」で、仕事用のAI「Gemini agent」を発表しました。
AIに仕事を任せるとき、多くの場合、AIは利用者の代わりに、利用者のメールや資料を使って動きます。今回のGemini agentの特徴は、AIに「自分専用のアカウント」を持たせ、チームの一員のように扱えるようにした点です。
この記事では、Google Cloudの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
Gemini agentは「指示ではなく目標を渡す」仕事用のAI
まずは、Gemini agentがどんなAIなのかを見ていきます。
Google Cloudの発表によると、Gemini agentは「仕事のための、ただ1つの万能なエージェント」で、次のことをこなします。
・質問に答える
・資料づくりなどの知識の仕事をこなす
・画像や動画などをつくる
・プログラムを書き、実行する
発表では「渡すのは指示ではなく目標」と説明されています。いくつもの手順がある仕事では、その仕事専用の手伝い役(サブエージェント)を一時的に作り、並べたり順番に動かしたりして、数時間から数日かかる仕事を進めるとしています。
「同僚エージェント」は自分専用のメール・カレンダー・ドライブを持つ
次に、いちばんの特徴である「同僚エージェント」です。
発表によると、Gemini agentは、チームの一員のように、決まった役割を持って何日も働き続ける「同僚エージェント」として動くこともできます。
・Google Workspaceに自分専用のアカウントを持つ。メールアドレス、カレンダー、ドライブがあり、会社の名簿にも載る
・同僚は、チームのチャットに招いたり、名前で呼びかけたりして、仕事を頼める
・利用者の名前ではなく、エージェント自身の名前で動く。見られるのは、共有された情報だけ
・文書に手を入れるときは、エージェントの名前で提案やコメントを残し、変更の履歴にも名前が残る
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行動はすべて記録。GoogleのモデルとAnthropicのClaudeを使い分ける
ここで、安全の仕組みと使うモデルを見ておきます。
発表では、次のような仕組みが説明されています。
・エージェントごとに、社員と同じように管理される名前(ID)を持ち、必要最小限の権限だけが与えられる
・エージェントの行動は、すべて記録に残り、人ではなくエージェントの行動として残る
・作業は外とのやり取りが制限された場所で行い、出入りする通信は会社の方針で検査される
使うモデルは、GoogleのGeminiのモデルと、AnthropicのClaudeのモデルで、今後はほかのモデルも加えるとしています。
金融と法律の分野向けの版は、試験提供(プレビュー)が始まっています。行政・医療・小売の分野向けの版も、近く出す予定です。
Web・スマホ・パソコンのほか、GmailやMicrosoft 365、Slackからも使える
次に、どこから使えるのかです。
Google Cloudの発表によると、Gemini agentは次の場所から使えます。
・Webのほか、iPhone・Androidのスマートフォン、WindowsとMacのパソコン
・Gmail、ドライブ、ドキュメント、スライド、スプレッドシート、Chat、カレンダーの中で直接
・Microsoft 365、Slack、コマンドの画面などの外部の窓口
・ほかの会社のアプリに組み込んだり、専用の画面なしで裏側だけで動かしたりもできる
どこから使っても、同じ記憶や技能、管理の設定を引き継ぐとされています。
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まずは一部の企業向けの限定的な試験提供から。料金の詳細は今後
最後に、いつ、いくらで使えるのかです。
発表の文章には、提供の状態や料金は書かれていません。米VentureBeatの報道によると、次のとおりです。
・一部の顧客向けの、非公開の試験提供(プライベートプレビュー)から始まった
・より広い提供は「近く」とされているが、具体的な日付は示されていない
・Gemini Enterpriseを使える顧客には、追加料金なしで含まれる予定。料金の詳細は、広く提供するときに案内する
日本で使える時期は、発表にも報道にも書かれていません。
仕事はどう変わるか:AIに「アカウントを渡す」のではなく「アカウントを持たせる」へ
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
Gemini agentで変わるのは、AIに仕事を任せるときの「名前の扱い」だと考えています。
これまで、AIにメールの返信や資料の整理を任せると、AIは利用者のアカウントで動きました。誰が送ったメールなのか、誰が直した資料なのかが、人とAIで区別しにくくなります。
AIが自分専用のアカウントを持ち、自分の名前で動くなら、「この返信はAIが送った」「この修正はAIの提案」と、後から分かるようになります。見せる情報も、人の同僚に共有するのと同じ感覚で選べます。
AIに仕事を任せることが増えた個人事業主にとっても、「AIにどのアカウントで、何を見せて動かすか」を決めておくことは、取引先に説明するときの安心材料になります。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・今は一部の企業向けの限定的な試験提供の段階で、日本で使える時期は示されていない。企業向けのサービスとして、続報を見る
・自分の会社のGoogle Workspaceで使う場合は、管理者の設定と、会社の決まりを確かめる
・AIの同僚に共有する情報は、人の同僚と同じように、必要なものだけに絞る
まとめ:Google Cloudが「同僚のようなAI」も持つGemini agentを発表。AIに自分の名前で働かせる時代へ
Google Cloudは、仕事用のAI「Gemini agent」を発表しました。自分専用のメールやドライブを持つ同僚エージェントとして、チームの一員のように働かせることもできます。
AIが利用者の名前ではなく自分の名前で働き、何をしたかが記録に残る形で仕事を任せられるようになるのが、いちばん大きな変化です。
企業向けの話ですが、AIに仕事を任せるときに「どの名前で、何を見せて動かすか」を考えるきっかけにするのがよさそうです。
出典
・Google Cloud「Welcome to Gemini at Work 2026: Introducing the Gemini agent」(2026年10月) https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/welcome-to-gemini-at-work-2026
・VentureBeat「Google Cloud unveils persistent Gemini Agents for long-running tasks, and they get their own Gmail, Calendar, and Drive storage」 https://venturebeat.com/orchestration/google-cloud-unveils-persistent-gemini-agents-for-long-running-tasks-and-they-get-their-own-gmail-calendar-and-drive-storage
