xAIが、電話の応対に強い音声AI「Grok Voice 3.0」を公開。1秒未満で答え、料金は1分0.08ドル。Starlinkでは1日2万件の電話の約7割を人なしで解決
・xAIが2026年10月14日、声で話しかけると声で答える音声AI「Grok Voice 3.0」を公開した。答え始めるまでの時間は1秒未満としている
・外部の評価会社の試験で、声で話す音声AIの中で最も高い点を取った。会話の途中で割り込まれたり、間が空いたりしても自然に応じる力も高いとしている
・開発者向けの料金は1分0.08ドル(1時間4.80ドル)で、前の版と同じ。衛星インターネットのStarlinkでは、1日2万件の問い合わせの電話の約7割を、人が関わらずに解決している
xAIは2026年10月14日、声で会話するAI「Grok Voice 3.0」を公開しました。
声で話すAIは、これまで「答えるまでに間がある」「話の途中で口をはさまれると混乱する」といった点が、電話の応対に使うときの壁でした。Grok Voice 3.0は、速さと、会話の自然さを高めたとしています。
この記事では、xAIの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
声で話すAIを比べた試験で、最も高い点
まずは、性能を見ていきます。
xAIの発表によると、外部の評価会社Artificial Analysisの試験で、次の結果が出ています。
| 試験 | Grok Voice 3.0 | 前の版(2.0) | OpenAIのGPT-Live-1 | GoogleのGemini 3.8 Live |
|---|---|---|---|---|
| 声で話すAIの総合点 | 86.9 | 81.3 | 83.2 | 82.6 |
| 頼まれたことをやり遂げた割合 | 94.8% | 94.6% | 87.4% | 89.1% |
| 割り込みや間への応じ方 | 97.0% | 95.1% | 94.9% | 91.9% |
訛りや雑音、割り込みのある問い合わせの電話を、どれだけうまく処理できるかを測る試験では、71.6%でした。xAIは、OpenAIのGPT-Live-1と同じくらいの正確さで、答え始めるまでの時間が4割短いとしています。
1つの仕事を終えるのにかかる費用も、比べたほかのモデルより安いとしています。
Starlinkの電話窓口では、約7割を人なしで解決
次に、実際の使われ方です。
xAIは、Grok Voice 3.0がすでに次の場面で使われていると説明しています。
・Teslaの車の中で、1日に数百万件の会話に使われている。予定の確認やメールの返信、コーヒーの注文や夕食の予約などを、手を使わずに頼める
・衛星インターネットのStarlinkの電話窓口で、複数の言語で1日2万件の電話に応じている。約7割は人が関わらずに解決し、販売の電話の4件に1件は、電話を切る前に購入に至る
・1つのAIが、本人の確認、機器の不具合の切り分け、料金の返金、交換の機器の発送までを受け持つ
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料金は1分0.08ドル。日本語に対応しているかは書かれていない
最後に、料金と使える範囲です。
Grok Voice 3.0は、開発者向けの音声エージェントの窓口(API)で使えます。
・料金は1分0.08ドル(1時間4.80ドル)。前の版と同じ
・最新版を自動で使う設定にしている利用者は、すでに切り替わっている
日本語に対応しているかどうかは、発表には書かれていません。開発者向けの説明書には、話した言葉を文字にする機能が38を超える言語に対応すると書かれていますが、どの言語かの一覧は載っていません。
仕事はどう変わるか:電話の一次受付は、AIに任せられる範囲が広がる
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
今回の発表で変わるのは、電話の「一次受付」の考え方だと考えています。
これまで、電話の自動応答といえば、「1番を押してください」と番号で振り分ける形が中心でした。声で話すAIが、1秒未満で答え、割り込みにも自然に応じるようになると、相手の話を聞いて、用件を確かめ、その場で解決するところまで任せられるようになります。Starlinkの約7割という数字は、問い合わせの多くが、決まった手順で解決できることを示しています。
人は、AIでは解決しなかった3割の、込み入った相談に時間を使えるようになります。
予約や問い合わせの電話を1人で受けている個人事業主にとっても、営業時間外の電話をAIに受けてもらう、という使い方が、身近な選択肢になっていきそうです。
使う前に、確かめておきたいこともあります。
・Grok Voice 3.0は、開発者向けの部品として提供されている。電話の窓口に使うには、電話の仕組みとつなぐ作業が必要
・日本語での応対の質は、発表からは分からない。使う前に、実際の電話で試す
・性能の数字は、xAIが紹介した外部の試験の結果。自分の業種の電話で同じ結果になるとはかぎらない
・お客様との通話をAIが聞き取る場合、録音や個人情報の扱いを、お客様に分かる形で知らせておく
まとめ:xAIが電話の応対に強い音声AIを公開。まずは決まった手順で解決できる電話から任せる
xAIは、1秒未満で答え、割り込みにも自然に応じる音声AI「Grok Voice 3.0」を公開しました。料金は1分0.08ドルで、Starlinkの電話窓口では約7割の電話を人なしで解決しています。
声で話すAIが、電話の一次受付を任せられる水準に近づいている、というのがいちばん大きな変化です。
使うなら、営業時間の案内や予約の受付など、決まった手順で解決できる電話から任せるのがよさそうです。
出典
・xAI「Introducing Grok Voice 3.0」(2026年10月14日) https://x.ai/news/grok-voice-3
・xAI 開発者向け説明書「Voice」 https://docs.x.ai/docs/guides/voice
