AIを使う会社は約6割、でも「はっきりした成果」は1割。INDUSTRIAL-Xの調査で、成果を分けたのは道具ではなく経営の関わり方と使う仕事の数
・企業の変革を支援するINDUSTRIAL-Xが、全国の企業で働く1,031人への「AI/DX導入・活用実態調査2026」の結果を発表した。AIを使っている会社は60.9%、会社全体で使っている会社は26.7%で、前の年より7.7ポイント増えた
・AIで成果を感じている会社は64.5%だが、「はっきりした成果」まで出ている会社は10.0%にとどまった
・経営層が積極的に関わる会社では、はっきりした成果を感じる割合が24.3%と、関わらない会社(6.6%)の約3.7倍。AIを使う仕事が6つ以上の会社では、78.3%が成果を感じていた
INDUSTRIAL-Xは2026年10月8日、「AI/DX導入・活用実態調査2026」の結果を発表しました。
AIを入れる会社は増えましたが、「それで何が変わったのか」と聞かれて、はっきり答えられる会社は多くありません。今回の調査は、成果を出している会社と出せていない会社の違いを、数字で探ったものです。
この記事では、INDUSTRIAL-Xの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
調査のあらまし
まずは、調査の対象です。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 経営者・役員をはじめ、全国の企業で働く1,031人(大手・中堅・中小の会社を3分の1ずつ) |
| 方法 | インターネットでの調査(調査の実施はマクロミル) |
| 時期 | 2026年7月(前の年の数字は、当時を振り返って答えてもらった) |
AIを使う会社は約6割、エージェントも実際の仕事に
次に、使い方の広がりです。
・AIを使っている会社は60.9%(会社全体で26.7%、一部の部署で29.1%)
・AIを使っている会社のうち、AIエージェントを「本番の仕事で自分で進めさせている」が14.5%、「半ば自分で進めさせている」が26.0%、「手伝いとして使っている」が33.6%で、合わせて74.1%が実際の仕事で使っていた
一方で、会社の大きさによる差は大きく、DXに会社全体で取り組んでいるのは、大手が70.1%、中小が12.5%でした。中小の会社の約6割は、AIにもDXにも手をつけておらず、AIの人材を育てていない中小の会社は77.0%でした。
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成果を分けたのは「経営の関わり方」と「使う仕事の数」
ここで、成果の違いを見ておきます。
| 比べたこと | 結果 |
|---|---|
| 経営層が積極的に関わる会社と、関わらない会社 | はっきりした成果を感じる割合は24.3%と6.6%(約3.7倍) |
| AIを使う仕事が6つ以上の会社と、1〜2つの会社 | 成果を感じる割合は78.3%と52.6% |
| 成果の中身 | 仕事の時間の短縮が72.3%、費用の削減が41.4%。売上の向上は10.7% |
INDUSTRIAL-Xは、成果を分けるのは道具の性能ではなく、経営の関わり、進める体制、人材の育成、使う仕事の厚み、という組織の側の4つの点だとしています。
仕事はどう変わるか:AIは「1つの仕事で試す」から「いくつもの仕事に広げる」へ
ここからは、調査の結果をもとにした僕の見方です。
今回の調査で見えてきたのは、AIの成果を出すための「広げ方」だと考えています。
AIを1つか2つの仕事で試しただけでは、成果を感じる会社は半分ほどでした。6つ以上の仕事で使っている会社では、8割近くが成果を感じています。1つの仕事で慣れたら、似た仕事に広げていく、という進め方が大事になりそうです。また、成果の多くは時間の短縮や費用の削減で、売上を伸ばすことにつながっている会社はまだ1割ほどでした。
10月24日に紹介したEngineerforceの調査でも、課題を決めてから入れた会社ほど成果を感じていました。道具より、使う側の進め方が成果を決める、という点は共通しています。
1人で仕事を回している個人事業主にとっても、AIを1つの作業で試して終わりにせず、うまくいった使い方を、似た作業にいくつも広げていくことが、手応えにつながりそうです。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・調査は2026年7月。前の年の数字は、当時を振り返って答えてもらったもの
・「成果」は、回答した人がどう感じているかを聞いたもの
・調査したINDUSTRIAL-Xは、AIやDXの導入を支援する会社で、発表の中で自社のサービスも紹介している
まとめ:AIを使う会社は約6割、はっきりした成果は1割。分かれ目は経営の関わりと使う仕事の数
INDUSTRIAL-Xの調査では、AIを使う会社は60.9%に増えた一方、はっきりした成果まで出ている会社は10.0%でした。経営層が積極的に関わる会社や、6つ以上の仕事でAIを使う会社ほど、成果を感じていました。
AIの成果を左右するのは、どの道具を選ぶかより、使う側がどれだけ関わり、どれだけの仕事に広げたかだ、というのがいちばん大きな学びです。
AIを試している人は、うまくいった使い方を1つ見つけたら、似た作業にもう1つ、2つと広げてみるのがよさそうです。
出典
・INDUSTRIAL-X「【AI/DX調査レポート2026】AIの全社活用が+7.7pt急伸・活用企業は約6割に到達も、中小の6割は未着手と二極化」(2026年10月8日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000051016.html
