職場の人間関係にストレスを感じたとき「敵にせずに距離をとる」ことで心が軽くなる!ローマ皇帝の対策を紹介
職場の人間関係が、とにかくしんどい。
きつい言い方をする人、話が通じない人、陰で何か言っていそうな人。
毎日顔を合わせるたびに気をつかい、仕事そのものより人間関係で疲れてしまう。
そんなふうに、職場の人間関係にストレスを感じることはありませんか?
職場の人間関係にストレスを感じたときは、苦手な相手を「敵にせずに距離をとる」ことで、心が軽くなります。
なぜなら、人間関係のストレスの多くは、相手の言動そのものより、相手を敵として意識し続けることから生まれているから。
実はこの考え方、約1850年前のローマ皇帝マルクス・アウレリウスが、自分のために日記に書き残したもの。
皇帝は、体育場で乱暴な相手にぶつかられたときのように、怒らず、疑わず、ただ静かに身をかわせ、と書いていました。
その言葉が、職場の人間関係を少し楽にする大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 職場の人間関係で、ストレスがどんどんたまってしまう理由
- ローマ皇帝が日記に書いた「敵にせずに身をかわす」という考え方
- 苦手な相手と、敵にせずに距離をとる方法
この記事を読めば、苦手な人がいる職場でも、必要以上に心をすり減らさずに過ごせるようになります。
職場の人間関係でストレスがたまるのは、苦手な相手を一日じゅう意識してしまうから

職場の人間関係は、自分で選べるものではありません。
合わない人がいても、同じ場所で、毎日のように顔を合わせなければなりません。
ただ、ストレスを大きくしているのは、相手と過ごす時間の長さだけではありません。
相手がいないときまで、相手のことを考え続けてしまうことが、心を疲れさせているのです。
ここでは、職場の人間関係で、ストレスがたまっていく理由を見ていきます。
嫌なことを言われると、何度も思い出してしまう
職場で嫌なことがあると、その場面が頭から離れなくなります。
・会議で、きつい言い方をされた
・自分だけ、話の輪に入れてもらえなかった
・頼んだことを、後回しにされた
その場では数秒の出来事でも、家に帰ってからも、寝る前にも、何度も思い出してしまう。
思い出すたびに、同じ嫌な気持ちを味わい直してしまうのです。
相手を「敵」と思うほど、相手の言動が気になる
嫌なことが重なると、相手を「敵」として見るようになります。
・また何か言ってくるのではと、身構えてしまう
・相手の小さな言動まで、悪い意味にとってしまう
・相手のことを、心の中で責め続けてしまう
相手を敵と思うほど、相手の動きが気になり、心が休まる時間がなくなります。
相手と離れている時間まで、相手に心を使ってしまうのです。
では、苦手な相手とどう向き合えば、心を軽くできるのか。
そのヒントを、約1850年前のローマ皇帝が、自分の日記に書き残しています。
ローマ皇帝に学ぶ|苦手な相手は、敵にせず、静かに身をかわせばいい

マルクス・アウレリウスは、161年から180年までローマ帝国を治めた皇帝です。
皇帝のまわりには、いつも多くの人がいました。
裏切る者、こびへつらう者、自分の利益ばかり考える者。
皇帝も、人間関係に悩まされることが多かったのです。
ここでは、そんな皇帝が日記に書いた、苦手な相手との付き合い方を紹介します。
「体育場でぶつかってきた相手のように、敵にせずに身をかわせ」
マルクス・アウレリウスは、『自省録』第6巻に、こう書いています。
体育場で練習をしているとき、相手に爪でひっかかれたり、頭をぶつけられたりしたとする。
それでも私たちは、腹を立てたり、あとで相手を裏切り者のように疑ったりはしない。
もちろん用心はする。
ただし、敵としてではなく、疑いもせず、静かに身をかわすのだ、と。
そして皇帝は、こう続けています(訳は筆者によるもの)。
> 人生のほかの場面でも、こうふるまおう。練習の相手のような人たちのことは、多くを大目に見よう。疑いも憎しみも持たずに、身をかわすことは、私たちにできるのだから。
用心はするが、敵にはしない
皇帝の言葉で大切なのは、「用心はする」けれど「敵にはしない」ということです。
相手のきつい言動を、我慢して受け入れ続ける必要はありません。
用心して、距離をとってかまわないのです。
ただ、相手を敵として憎み、疑い続けると、そのぶん自分の心が疲れてしまいます。
敵にせず、静かに身をかわす。
それが、自分の心を守るための、いちばん楽な方法なのです。
ここからは、皇帝の考え方を、職場の人間関係にストレスを感じたときに使える手順にして紹介していきます。
スポンサーリンク
職場の人間関係にストレスを感じたとき「敵にせずに距離をとる」ことで心が軽くなる

職場の人間関係を楽にするために必要なのは、苦手な相手と仲良くなることではありません。
相手を敵として意識するのをやめ、ほどよい距離をとることです。
距離をとるのが上手になれば、同じ職場にいても、心がすり減ることは少なくなります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:苦手な相手と、困る場面を書き出す
まず、職場で苦手な相手と、その人と関わって困る場面を書き出します。
・Aさん:報告のたびに、細かく言い方をとがめられる
・Bさん:雑談の輪で、話をさえぎられる
・Cさん:頼んだ仕事を、なかなかやってくれない
「なんとなく苦手」のままだと、その人のすべてが嫌に感じられます。
困る場面を書き出すことで、気をつけるべきところがはっきりします。
手順2:困る場面ごとに「身のかわし方」を決める
次に、困る場面ごとに、どうやって身をかわすかを決めます。
・報告をとがめられる → 報告は要点を3行にまとめ、メールで送る
・話をさえぎられる → 雑談の輪には、短い時間だけ入る
・仕事をやってくれない → 頼むときに、期限を書いて残しておく
皇帝の言う「静かに身をかわす」を、具体的な行動にしておくのです。
決めておけば、その場面が来ても、あわてずにすみます。
手順3:相手を責める言葉が浮かんだら「練習の相手だ」と言い換える
相手のことを心の中で責めそうになったら、言い換えます。
・「あの人はひどい」→「あの人は、ぶつかってくる練習の相手だ」
・「また嫌なことをされた」→「また1つ、身のかわし方を練習できた」
相手を敵と呼ぶのをやめるだけで、相手に向けていた心の力が、ずいぶん軽くなります。
皇帝の言う「疑いも憎しみも持たずに」とは、このことです。
手順4:職場を出たら、相手のことは考えない時間にする
最後に、職場を出たあとの時間を、相手のことを考えない時間にすると決めます。
・帰り道に相手のことを思い出したら、好きな音楽をかける
・家に着いたら、職場のことは翌朝まで横に置く
・どうしても浮かぶときは、紙に書き出して閉じる
相手と一緒にいるのは、職場にいるあいだだけで十分です。
自分の時間まで、相手に明け渡す必要はないのです。
苦手な相手への見方を変える、ローマ皇帝のもう1つの考え方

敵にせずに距離をとれるようになっても、相手の言動にどうしても腹が立つ日はあります。
そんなときは、相手を見る目そのものを、少し変えてみることも大切です。
皇帝は、同じ節のすぐあとに、自分自身についての言葉を書き残しています。
ここでは、苦手な相手への見方を変えるための、皇帝の考え方を紹介します。
「誰かが私の間違いを示してくれるなら、喜んで改める」
マルクス・アウレリウスは、同じ第6巻で、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 私の考えやふるまいが正しくないと、誰かが納得のいくように示してくれるなら、私は喜んで改めよう。
苦手な相手の言葉にも、ときには、自分の役に立つことが含まれているかもしれません。
言い方がきつくても、中身に正しいところがあれば、それだけは受け取る。
正しくないと思えば、受け取らずに流す。
相手の言葉を「敵の攻撃」としてまとめて拒むのではなく、中身だけを選んで受け取る。
そう考えるだけで、苦手な相手の言葉にも、少し落ち着いて向き合えるようになるのです。
まとめ:職場の人間関係にストレスを感じたときは「敵にせずに距離をとる」を試してみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
職場の人間関係でストレスがたまるのは、苦手な相手を一日じゅう意識してしまうから
嫌なことを言われると、何度も思い出してしまいます。
相手を敵と思うほど、相手の言動が気になり、心が休まる時間がなくなってしまいます。
ローマ皇帝は「敵にせず、疑いも憎しみも持たずに、身をかわせ」と書いた
体育場でぶつかってきた相手に対するように、用心はするけれど、敵にはしない。
疑いも憎しみも持たずに身をかわすことは、自分にできる、と皇帝は書いています。
苦手な相手と困る場面を書き出し、身のかわし方を決めて、職場を出たら考えない
苦手な相手と、困る場面を書き出す。
困る場面ごとに、身のかわし方を決める。
相手を責める言葉が浮かんだら、「練習の相手だ」と言い換える。
職場を出たら、相手のことは考えない時間にする。
職場の人間関係に悩むのは、それだけ周りの人と真剣に向き合っているからです。
あなたが、苦手な人に心をすり減らすことなく、軽い気持ちで毎日を過ごせることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


『自省録』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、マルクス・アウレリウスの『自省録』に収められています。
日本語訳は、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- マルクス・アウレリウス『自省録』第6巻第20〜21節(英訳:George Long 訳、The Internet Classics Archive https://classics.mit.edu/Antoninus/meditations.html)
