上司と合わないとき「合わせる所」を決めれば自分を責めずに働ける!孔子の対策を紹介
上司とどうも合わない。
話がかみ合わず、何を言っても否定されているように感じて、自分が悪いのかもしれないと考えてしまう。
そんなふうに、上司と合わないことで、自分を責めてしまうことはありませんか?
上司と合わないときは、「合わせる所」と「合わせなくていい所」を分けて決めることで、自分を責めずに働けます。
なぜなら、上司と合わないと感じる多くの場合、どちらかが悪いのではなく、考え方や仕事の進め方が違うだけだから。
実はこの考え方、約2500年前の中国の古典『論語』に書かれているもの。
孔子は、すぐれた人ほど、相手と協力はしても、何でも同じ意見に合わせることはしない、と語っていました。
その言葉が、上司と合わない毎日を、自分を責めずに過ごすための大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 上司と合わないときに、自分が悪いと考えてしまう理由
- 『論語』に書かれた「和して同ぜず」という人づきあいの考え方
- 「合わせる所」を決めて、上司と合わないまま働く方法
この記事を読めば、上司と合わないことに振り回されず、落ち着いて仕事に向き合えるようになります。
上司と合わないのは、自分が悪いからではなく考え方が違うから

上司と合わないと感じると、真面目な人ほど「自分に問題があるのでは」と考えてしまいます。
それだけ、仕事に真剣に向き合っているからです。
でも、上司と合わない理由の多くは、どちらかが悪いからではありません。
考え方や仕事の進め方が違う者同士が、同じ仕事をしているだけなのです。
ここでは、上司と合わないときに、自分を責めてしまう理由を見ていきます。
上司と部下では、見ているものが違う
上司と部下は、同じ仕事をしていても、見ているものが違います。
・上司は、チーム全体の成果や、さらに上の人からの評価を見ている
・部下は、目の前の仕事を、どうすればうまく進められるかを見ている
・仕事を急ぎたい人もいれば、じっくり確かめたい人もいる
見ているものや大切にしていることが違えば、話がかみ合わないのは自然なこと。
「合わない」と感じるのは、どちらかが間違っているからではなく、立っている場所が違うからなのです。
「上司に合わせなければ」と思うほど、自分を責めてしまう
上司と合わないとき、多くの人はこう考えます。
・上司のやり方に、全部合わせなければいけない
・上司と意見が違うのは、自分の考えが足りないからだ
・うまくいかないのは、自分が悪いからだ
何もかも上司に合わせようとすると、合わせきれない部分が出てきたとき、それを自分の失敗だと感じてしまいます。
そうして、合わないことが続くほど、自分を責める気持ちが大きくなってしまうのです。
では、考え方の違う上司と、どう付き合えばいいのか。
その答えが、約2500年前の『論語』の、短い言葉の中にあります。
論語に学ぶ|すぐれた人は、相手と協力しても何でも合わせることはしない

『論語』は、約2500年前の中国の思想家・孔子と、その弟子たちの言葉をまとめた本です。
孔子は、人とのつきあい方について、多くの言葉を残しています。
その中に、合わない相手との付き合い方のヒントになる言葉があります。
ここでは、孔子が語った「和して同ぜず」という言葉を紹介します。
「君子は和して同ぜず。小人は同して和せず」
孔子は、こう語っています(子路篇)。
> 君子は和して同ぜず。小人は同して和せず。
今の言葉にすると、こういう意味です。
すぐれた人は、人と協力し合うが、何でも同じ意見に合わせることはしない。
つまらない人は、何でも同じ意見に合わせるが、本当に協力し合うことはしない。
ここでいう「和」は、違いを認めたうえで、力を合わせること。
「同」は、自分の考えをなくして、相手に合わせてしまうことです。
合わないままでも、協力して仕事はできる
孔子の言葉からわかるのは、考え方が同じでなくても、協力はできるということです。
むしろ、何でも相手に合わせるだけの関係は、本当の協力ではない、と孔子は言っています。
考え方の違いを持ったまま、同じ目的に向かって力を合わせることこそが、すぐれた人のつきあい方なのです。
上司と合わないことは、恥ずかしいことでも、自分が悪いことでもありません。
大切なのは、合わない中で、どこで力を合わせるかを決めることなのです。
ここからは、孔子の考え方を、上司と合わないときに使える手順にして紹介していきます。
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上司と合わないとき「合わせる所」を決めれば自分を責めずに働ける

上司と合わないときに必要なのは、上司に全部合わせることでも、上司を変えることでもありません。
「合わせる所」と「合わせなくていい所」を、自分で分けて決めることです。
合わせる所がはっきりすれば、それ以外の違いに振り回されなくなります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:上司と「合わない」と感じる場面を書き出す
まず、上司と合わないと感じる場面を、具体的に書き出します。
・報告のたびに、細かいところまで指摘される
・自分ならこうするのに、と思うやり方を指示される
・話し方や口調が、きつく感じる
「なんとなく合わない」のままだと、上司そのものが苦手に感じられます。
場面ごとに書き出すことで、何が合わないのかが、はっきり見えてきます。
手順2:「仕事の目的」に関わるものと、「好みの違い」を分ける
書き出した場面を、2つに分けます。
・仕事の目的に関わるもの → 締め切り、仕事の質、報告のタイミングなど
・好みの違いにすぎないもの → 話し方、口調、細かな進め方の好みなど
仕事の目的に関わるものは、上司と力を合わせるべき所です。
好みの違いにすぎないものは、無理に合わせなくてもいい所です。
手順3:「合わせる所」だけは、上司のやり方に合わせる
仕事の目的に関わる「合わせる所」は、上司のやり方に合わせます。
・報告は、上司が求めるタイミングで出す
・締め切りは、上司が決めた日を守る
・資料の形は、上司が見やすい形にする
合わせる所が決まっていれば、上司に合わせることは「負け」ではなく、仕事を進めるための協力になります。
孔子の言う「和」とは、まさにこのことです。
手順4:「好みの違い」は、受け流してよいと自分に許す
好みの違いにすぎない部分は、上司と違っていても、気にしなくていいと決めます。
・口調がきついのは、上司の話し方のくせ
・細かなやり方の好みは、自分と違っても仕方がない
・意見が違うのは、見ている場所が違うから
合わない部分を「自分が悪いから」と受け止めるのをやめるだけで、気持ちはずっと楽になります。
全部を合わせなくていいとわかれば、上司と合わないまま、落ち着いて働けるのです。
上司との距離を保つための、孔子の弟子・子游の考え方

「合わせる所」を決めても、上司に自分の考えを伝えたくなる場面はあります。
そんなときは、伝える回数と、伝え方に気をつけることが大切です。
孔子の弟子・子游は、目上の人や友人との付き合い方について、短い言葉を残しています。
ここでは、上司とほどよい距離を保つための、子游の考え方を紹介します。
「君に事えて数すれば、斯に辱めらる」
子游は、こう語っています(里仁篇)。
> 君に事えて数すれば、斯に辱めらる。朋友に数すれば、斯に疎ぜらる。
仕える相手に、何度もしつこく意見をすれば、かえってうとまれて恥をかく。
友人にも、何度もしつこく忠告をすれば、かえって遠ざけられる、という意味です。
意見を伝えることは、悪いことではありません。
でも、合わない部分を一つひとつ全部伝えようとすると、かえって関係がこじれてしまいます。
だからこそ、伝えるのは、手順2で分けた「仕事の目的に関わる所」だけにしぼる。
伝えることを選ぶことで、上司との関係を壊さずに、本当に大切な意見を届けられるのです。
まとめ:上司と合わないときは「合わせる所」を決めてみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
上司と合わないのは、自分が悪いからではなく考え方が違うから
上司と部下では、見ているものや大切にしていることが違います。
何もかも合わせようとするほど、合わせきれない部分で自分を責めてしまうのです。
孔子は「君子は和して同ぜず」と語った
すぐれた人は、人と協力し合うが、何でも同じ意見に合わせることはしない。
考え方が同じでなくても、同じ目的に向かって力を合わせることはできます。
合わない場面を書き出し、「合わせる所」と「好みの違い」を分ける
合わないと感じる場面を書き出す。
仕事の目的に関わるものと、好みの違いを分ける。
合わせる所だけは、上司のやり方に合わせる。
好みの違いは、受け流してよいと自分に許す。
上司と合わないことは、誰にでも起こることです。
あなたが、自分を責めることなく、落ち着いて毎日の仕事に向き合えることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


『論語』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、どれも『論語』に収められています。
全文を訳した、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- 『論語』子路篇「君子和而不同,小人同而不和」、里仁篇「子游曰:事君數,斯辱矣。朋友數,斯疏矣」(原文:Wikisource「論語(漢文叢書)」https://ja.wikisource.org/wiki/論語_(漢文叢書))
