中国のDeepSeekとMiniMaxが、安い新モデルを相次いで公開。DeepSeekは中身を公開し、MiniMaxは料金を7割下げた
・中国のAI企業DeepSeekが2026年10月17日、新しいモデル「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を公開した。中身(重み)は、商用の利用も認めるMITライセンスで公開されている
・同じく中国のMiniMaxは10月19日、「MiniMax M3.1 Flash」を公開した。AIエージェントの仕事での利用料は前の世代より70%安いとしている。中身はあとで公開する予定
・MicrosoftとNVIDIAは10月16日、企業が公開モデルを使うときの危険を管理するための手引きを公表した。中身が公開されているかどうかだけでは、危険の大きさは決まらないとしている
中国のAI企業2社が、料金の安い新しいモデルを相次いで公開しました。DeepSeekは10月17日に「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を、MiniMaxは10月19日に「MiniMax M3.1 Flash」を出しています。
中国のAIモデルは、性能の割に料金が安いことで注目されてきました。一方で、データの扱いや安全の面での心配も指摘されています。この記事では、2社の発表で分かったことと、企業が公開モデルを使うときの注意をあわせて整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
DeepSeek:中身を公開し、検索の機能も誰でも使えるように
まずは、DeepSeekの新しいモデルです。
DeepSeekの発表によると、特徴は次のとおりです。
・前の版より試験の成績が上がり、作業を速く終え、出力が短くなった。性能と費用の両方が良くなったとしている
・自分の答えを振り返る訓練で、ゲームや3Dの模型など、まとまった作品を最初から最後まで作る力を高めた
・Webサイト、アプリ、開発者向けの窓口(API)で使える。中身はHugging Faceなどで公開し、MITライセンスで商用の利用も認めている
・一度に読める量は100万トークン
・Webを検索する機能と、Webページを読み込む機能を、誰でも使える窓口として公開した。料金はそれぞれ1,000回あたり0.75ドル
開発者向けの料金(100万トークンあたり)は、次のとおりです。
| 区分 | 混んでいない時間 | 混んでいる時間 |
|---|---|---|
| 入力(同じ内容のくり返し) | 0.003ドル | 0.006ドル |
| 入力(それ以外) | 0.15ドル | 0.3ドル |
| 出力 | 0.6ドル | 1.2ドル |
混んでいる時間は、平日の協定世界時1〜4時と6〜10時です。日本時間では、平日の午前10時〜午後1時と、午後3時〜7時にあたります。
MiniMax:AIエージェントの仕事での利用料を70%下げた
次に、MiniMaxの新しいモデルです。
MiniMaxの発表によると、M3.1 Flashは、AIエージェントの仕事、プログラム作り、パソコンの操作、サイバーセキュリティで性能を上げたモデルです。
・AIエージェントの仕事での全体の利用料は、前の世代より70%安い
・料金は、入力100万トークンあたり0.15ドル、出力0.60ドル、同じ内容のくり返しの入力は0.015ドル
・答えを出す速さは、ふだんの使い方で1秒あたり200トークンを超えるとしている
・開発者向けの窓口や、MiniMaxのプログラム作りの道具で使える。中身はあとで公開する予定
性能の面では、プログラム作りの試験(DeepSWE v1.1)で73.7%、パソコン操作の試験(OSWorld V2)で61.7点などを挙げています。
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MicrosoftとNVIDIA:公開モデルの危険は「使い方」で決まる
ここで、企業が公開モデルを使うときの注意を見ておきます。
MicrosoftとNVIDIAは10月16日、企業が公開モデル(オープンウェイト)を使うときの危険を管理するための手引きを、共同で公表しました(オープンウェイトとはの記事)。
・中身が公開されているかどうかだけでは、AIの仕組みの危険の大きさは決まらない。モデル、使い道、置き方、守りのしくみで決まる
・危険を、サイバーセキュリティ、データの保護、出力の内容、人とAIのやり取り、偏りの5つに分けて整理した
・公開モデルを自社で動かす場合は、クラウドのサービスなら提供側が受け持つ守りの一部を、自社で受け持つことになる
仕事はどう変わるか:AIの料金は下がり続けるが、「どこの、どんなモデルか」を確かめる手間は増える
ここからは、公式の発表をもとにした僕の見方です。
今回の動きで変わるのは、AIモデルの「選び方の物差し」だと考えています。
DeepSeekもMiniMaxも、性能の高いモデルを、とても安い料金で出してきました。中身が公開されれば、自社の機械で動かすこともできます。料金だけを見れば、選ばない理由はないように見えます。
ただ、MicrosoftとNVIDIAの手引きが示すとおり、AIの危険は、モデルの性能や料金ではなく、どんな仕事に、どこで、どんな守りをつけて使うかで決まります。お客様の情報を扱う仕事なら、モデルを作った会社のデータの扱いや、提供される国の決まりまで確かめる必要があります。
自分の道具にAIを組み込んでいる個人事業主にとっても、安いモデルを試すときは、お客様の情報を入れない作業から始めるのが安心です。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・性能の数字は、それぞれの会社が自社の環境で測ったもの。外部の評価はまだ少ない
・DeepSeekの検索とWebページの読み込みの機能は、一部の道具を通した利用分が、2026年11月1日から有料になる
・MiniMaxのモデルの中身は、まだ公開されていない
まとめ:中国の2社が安い新モデルを公開。料金だけでなく、使い道と守りのしくみで選ぶ
DeepSeekは中身を公開した新モデルを、MiniMaxは利用料を70%下げた新モデルを公開しました。MicrosoftとNVIDIAは、公開モデルの危険は使い道や置き方で決まるとする手引きを出しています。
AIの料金は下がり続けている一方で、どこの会社の、どんなモデルを、どう使うかを確かめる手間は増えている、というのがいちばん大きな学びです。
安いモデルを試すときは、お客様の情報を入れない作業から始め、データの扱いを確かめてから広げるのがよさそうです。
出典
・DeepSeek「DeepSeek-V4.1-Flash-1017: Wish-Driven Programming Made Real」(2026年10月17日) https://api-docs.deepseek.com/news/news261017/
・DeepSeek「Models & Pricing」 https://api-docs.deepseek.com/quick_start/pricing/
・MiniMax「MiniMax M3.1 Flash: Redefining Agent Performance and Cost」(2026年10月19日) https://www.minimax.io/blog/minimax-m31f
・Microsoft「Managing open-weight model risk in enterprise deployments」(2026年10月16日) https://www.microsoft.com/en-us/security/blog/2026/10/16/managing-open-weight-model-risk-in-enterprise-deployments/
