大企業の7割がAIへの投資を増やすのに、AIの費用を会社全体でまとめて把握できているのは29%。サイボウズが551社を調査
・サイボウズが、従業員1,000人以上の大企業551社への調査の第2弾(費用・ガバナンス・データ活用編)を公開した。今後3年でAIへの投資を増やす会社は70%にのぼる
・一方で、AIの道具やAIエージェントの費用を、会社全体でまとめて把握できている会社は29%にとどまった。AIの費用が増えることに備え、予算の計画や管理の仕組みをすでに整えている会社は14%だった
・会社で使ってよいとされているAIの道具は、Microsoft Copilotが66%で最も多く、ChatGPTが46%、Google Geminiが33%、Claudeが14%と続いた
サイボウズは、「大企業におけるAI活用実態調査」の第2弾として、AIの費用、ガバナンス(使い方の決まり)、業務のデータの使い方についての結果を公開しました。
AIエージェントのように、仕事を任せる使い方が広がると、AIの費用は使った量に応じて増えていきます。投資を増やす会社が多い一方で、その費用をきちんと把握できているのかが、今回の調査で見えてきました。
この記事では、サイボウズの調査で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
調査のあらまし
まずは、調査の対象です。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 従業員1,000人以上の企業・団体(情報通信業を除く)の、経営者、またはIT・情報システム・DXの仕事をしている人 |
| 回収数 | 551社 |
| 方法 | インターネットでの調査(調査の実施はインテージ) |
| 時期 | 2026年7月6日〜9日 |
第1弾では、AIを全社で進めている会社が60%、一部の部門で使っている会社が25%で、9割を超える大企業がAIの活用に手をつけていると報告されていました。
投資は増えるのに、費用の把握は3割未満
次に、費用の結果です。
・今後3年でAIへの投資を「大幅に増やす」が23%、「やや増やす」が47%で、合わせて70%
・AIの費用の把握は、「部門やプロジェクトごとには分かるが、会社全体では分からない」が32%で最も多く、会社全体でまとめて把握できているのは29%
・AIの費用が増えることへの備えは、「検討・準備中」が44%で最も多く、「予算の計画や管理の仕組みをすでに整えている」は14%
・AIの予算の位置づけは、「ITやDXの予算の一部」が53%で最も多かった
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データはExcelや個人のパソコンにも多く残る
ここで、データの使い方の結果を見ておきます。
・社内の業務のデータを、何らかの形でAIに使えている会社は57%。一方で「使いたいが整備や連携ができていない」も25%
・業務のデータが「共有できる形で一部はたまっているが、Excelや個人のパソコンにも多く残っている」会社が55%で最も多かった
・主な業務のシステムとAIをつないでいる会社は11%にとどまった
・AIの使い方の決まりを「作って運用している」会社は51%
仕事はどう変わるか:AIの費用は「道具代」から「使った分だけ増える経費」になる
ここからは、調査の結果をもとにした僕の見方です。
今回の調査で見えてきたのは、AIの費用の「性質」の変化だと考えています。
これまで、AIの費用は、1人あたり月いくらの道具代として、ITの予算の中で扱われてきました。AIエージェントのように、AIが長い時間働く使い方では、費用は使った量に応じて増えていきます。部門ごとに道具を入れていくと、会社全体でいくら使っているのかが見えなくなります。投資を増やす前に、費用を見える形にしておくことが大事になりそうです。
最近のClaude Enterpriseの管理の機能のように、AIの会社の側も、使える金額の上限を決める仕組みを用意し始めています。
いくつものAIの道具を契約している個人事業主にとっても、毎月どの道具にいくら払っているかを、一度表にまとめておくと、使っていない契約や使いすぎに気づきやすくなります。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・対象は従業員1,000人以上の大企業。中小企業や個人の傾向とは違うかもしれない
・調査の時期は2026年7月。その後に出た新しい道具や料金の変化は入っていない
・第3弾(AIエージェントの活用実態編)は、2026年10月28日に公開される予定と案内されている
まとめ:大企業の7割がAI投資を増やす一方、費用をまとめて把握できているのは3割未満
サイボウズの調査では、大企業の70%が今後3年でAIへの投資を増やすと答えた一方、AIの費用を会社全体でまとめて把握できている会社は29%にとどまりました。業務のデータも、Excelや個人のパソコンに多く残っています。
AIの費用が、決まった道具代から、使った分だけ増える経費に変わり、その管理が追いついていない、というのがいちばん大きな学びです。
AIを使っている人は、会社でも個人でも、まずどの道具にいくら払っているかを1つの表にまとめておくのがよさそうです。
出典
・サイボウズ「大企業におけるAI活用実態調査(コスト・ガバナンス・データ活用編)」(2026年10月14日) https://cybozu.co.jp/it-foresight/research-whitepapers/2026-10-ai-research/
