フィックスターズとFastMetalが、国内のGPUサーバーでAIを動かすサービスを開始。入力したデータを日本の外に出さずに、公開モデルの「DeepSeek-V4.1-Flash」を登録当日から使える
・国内のフィックスターズと、AIの窓口サービス「FastMetal」を運営する国際調達情報が2026年11月5日、日本国内に置いたGPUサーバーでAIを使えるサービスを始めた
・入力したデータは、フィックスターズが国内に持つGPUサーバーだけで処理する。最初のモデルは、中国のDeepSeekが10月に公開した「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」で、今後増やす予定
・FastMetalのAPIで使い、前払いで利用分を買えば登録当日から使える。料金は円建てで、FastMetalの料金ページで確かめる形
フィックスターズと国際調達情報は2026年11月5日、国内のGPUサーバーで動くAIのサービスを始めたと発表しました。
両社は、業務のデータを扱う会社にとって、データがどこで処理されるかもAIを選ぶ大事な基準になっていると説明しています。今回のサービスは、誰でも中身を手に入れられる「公開モデル」を、日本国内のサーバーで速く動かし、データを国内から出さずに使えるようにしたものです。
この記事では、両社の発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
データは国内のサーバーだけで処理する
まずは、サービスのしくみです。
フィックスターズの発表によると、次のとおりです。
・GPUサーバーと、提供するAIのモデルは、フィックスターズが管理する。同社の速くする技術で、AIの処理を速めている
・入力したデータは、フィックスターズが国内に持つGPUサーバーでのみ処理する
・利用者は、FastMetalのAPIを通じて使う。今あるアプリに組み込みやすいとしている
・利用分を前払いで買えば、登録した当日から使える
両社の役割は、フィックスターズがサーバーの構築と運用、国際調達情報がFastMetalでの提供、販売、請求、利用者の手助けです。
最初のモデルは「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」
次に、使えるモデルです。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| モデル | DeepSeek-V4.1-Flash-1017(中国のDeepSeekが2026年10月17日に公開した公開モデル) |
| 大きさ | 全体で5,520億パラメータ。一度に働くのは一部だけのしくみ |
| 一度に読める量 | 最大100万トークン |
| 読めるもの | 文章と画像 |
| 提供の開始 | 2026年11月5日 |
| 今後 | フィックスターズが国内で動かすモデルを、FastMetalで順に増やす |
DeepSeekは10月に、このモデルの中身を公開していました(DeepSeekとMiniMaxの新モデルの記事)。
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料金は円建ての前払い
ここで、料金を見ておきます。
・料金は、FastMetalの料金ページで確かめる形。円建ての前払いで、使った分だけ払うしくみ
・FastMetalの料金ページでは、国内で動かすDeepSeek-V4.1-Flash-1017が、12月4日まで30%引きと案内している
・FastMetalでは、ほかの国内で動かすモデルや、海外の会社のモデルも、1つのAPIの鍵で使える
FastMetalは、データを学習に使わせるか、保存させるか、どの国のサーバーで処理するかを、利用者が選べることを基本の考え方にしているとしています。
仕事はどう変わるか:「データを国内に置く」が、AIを選ぶ条件の1つになる
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
今回のサービスで変わるのは、AIを選ぶときの「場所」の選択肢だと考えています。
これまで、よく使われるAIのサービスでは、データが海外のサーバーで処理されることがありました。お客様の情報や社内の資料を扱う会社では、それがAIを使う前の壁になることがありました。公開モデルの性能が上がり、それを国内のサーバーで速く動かせるなら、「データを国内から出さない」という条件を守ったまま、AIを業務に組み込めます。
同じ11月5日には、PFNも、翻訳のAIを手元の機器で動かせる形で公開しています(PLaMo 3 Translateの記事)。データをどこで処理するかを、利用者が選べる場面が増えています。
お客様の情報を扱う仕事をしている個人事業主にとっても、取引先から「データはどこで処理されるか」を聞かれたときに、選べる手段の1つになりそうです。
使う前に、確かめておきたいこともあります。
・使うには、APIでアプリに組み込む必要がある。チャットの画面で使うサービスではない
・モデルは中国のDeepSeekが作ったもの。処理は国内のサーバーで行うが、モデルの使い方の決まり(ライセンス)や、答えの傾向は、自分の目的に合うか確かめる
・料金や割引は変わることがあるので、FastMetalの料金ページで確かめる
・会社の規程で、使ってよいAIのサービスが決まっている場合は、担当の部署に確かめる
まとめ:国内のGPUサーバーで、公開モデルのAIをデータを外に出さずに使える
フィックスターズと国際調達情報は、国内のGPUサーバーで動くAIのサービスを始めました。入力したデータは国内でだけ処理し、最初は公開モデルのDeepSeek-V4.1-Flash-1017を、FastMetalのAPIで登録当日から使えます。
性能の高い公開モデルを、データを国内に置いたまま使えるサービスが出てきた、というのがいちばん大きな変化です。
AIを業務に組み込みたいのに、データの置き場所で止まっている会社は、まず社内で「どのデータなら国内のサービスで扱ってよいか」を決めるところから始めるのがよさそうです。
出典
・フィックスターズ「フィックスターズとファストメタル、国内GPUサーバーで高速推論AIサービスの提供を開始」(2026年11月5日) https://news.fixstars.com/7564/
・FastMetal「料金」 https://fastmetal.jp/pricing
