健康管理士の健康講座

【ミネラル】

 

ミネラルとは、体に存在する元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素以外のものを指します。

 

体重に占めるミネラルの割合は約5%であり、残り約95%は炭水化物、タンパク質、脂質、水などの有機化合物の成分である酸素、炭素、水素、窒素が占めます。

 

ミネラルは、尿や汗によって、日々一定量が排泄されているため、欠乏症を起こしやすい。

 

ミネラルの摂取が不足した場合は排泄を抑制し、過剰に摂取した場合は排泄を促進するように腸や腎臓が調整していますが、過剰摂取が長期にわたれば過剰症を起こす可能性もあります。

 

ーミネラル一覧ー

種類 生理作用 欠乏症 多く含まれる食品
カルシウム

(Ca)

・骨や歯の形成

・血液凝固

・筋肉の収縮

・神経の興奮抑制

骨の発達障害、骨粗しょう症、神経過敏 乳製品、煮干し、干しえび、小松菜、水菜など
リン

(P)

・骨や歯の形成

・炭水化物、脂質、タンパク質の代謝

・細胞の構成成分

骨軟化症、疲労感 肉、卵黄、乳製品、大豆製品、加工食品など
マグネシウム

(Mg)

・筋肉の収縮

・神経の興奮抑制

・血管拡張

けいれん、神経過敏、不整脈 豆類、種実類、穀類、海藻類など
ナトリウム

(Na)

・細胞外液の浸透圧調節

・筋肉や神経の興奮抑制

食欲不振、倦怠感、けいれん、血圧降下 食塩、しょうゆ、みそなど
塩素

(Cl)

・血液の浸透圧調節

・タンパク質の消化

食欲不振、けいれん みそ、食塩、つくだ煮など
カリウム

(K)

・細胞内液の浸透圧調節

・ナトリウムの再吸収抑制

・筋肉の収縮

脱力感、食欲不振 野菜、果物、いも類など
 鉄

(Fe)

 ・赤血球のヘモグロビン構成

・酸素の運搬と供給

 鉄欠乏性貧血  レバー、かつお、あさり、肉(赤身)、緑黄色野菜、穀類、海藻類など
 亜鉛

(Zn)

 ・タンパク質、核酸の合成促進

・酵素の構成成分

 皮膚炎、月経不順、成長障害、味覚障害  牡蠣、牛肉、レバー、納豆、卵、種実類など
 銅

(Cu)

 ・鉄とヘモグロビンの結合補助

・鉄の吸収促進

 貧血、毛髪異常、白血球数減少、成長障害  レバー、干しえび、いか、たこ、牡蠣、種実類、納豆など
 ヨウ素

(I)

 ・甲状腺ホルモンの構成成分

・発育促進

・基礎代謝の向上

 甲状腺腫  海藻類、いわし、さばなど
 クロム

(Cr)

 ・炭水化物、脂質の代謝  糖尿病、動脈硬化、脂質異常症  魚介類、海藻類など
 モリブデン

(Mo)

 ・尿酸生成の代謝に関与  発がんの可能性  レバー、豆類、種実類、穀類など
セレン

(Se)

・抗酸化作用

・がんの抑制

心筋障害 魚介類、ねぎ、そばなど
マンガン

(Mn)

・炭水化物、タンパク質、脂質の代謝

・骨の代謝

・抗酸化作用

骨の発達障害、生殖能力の低下 玄米、くるみ、厚揚げなど
 コバルト

(Co)

 ・ビタミンB12の構成成分

・ヘモグロビンの合成促進

 巨赤芽球性貧血 そば、貝類、のり、豆類、ひじきなど
 イオウ

(S)

 ・炭水化物、脂質の代謝

・胆汁の構成成分

毛髪・つめの障害、関節炎 魚介類、肉類、牛乳、卵など

 

 

 

<栄養や役割>

 

●骨や歯などの硬組織の形成

 

●酵素、ホルモン、ヘモグロビンなどの構成成分または活性化

 

●体液の浸透圧、酸・塩基平衡※)、水分平衡などの保持

 

●神経や筋肉の興奮性保持

 

※)酸・塩基平衡とは、血液、体液の水素イオン濃度(pH)の調整状態のことをいう。

 

 

1)カルシウム(Ca)

 

カルシウムは、牛乳、チーズなどの乳製品、煮干し、干しえび、小松菜、水菜などに多く含まれます。

 

中でも、乳製品は比較的カルシウムが吸収されやすい食品です。

 

ビタミンDと同時に摂取すると吸収率が上昇します。

 

体内に最も多く存在するミネラルであり、成人で体重の約1〜2%を占めます。

 

このうち約99%は骨や歯などの硬組織に存在しています。

 

残りの1%は血液、筋肉、神経、酵素などに存在し、血液凝固や筋肉収縮、神経の興奮抑制などに働きます。

 

日本人のカルシウム摂取量は不足状態にあるので、欠乏症が問題です。

 

カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンなどが働いて、カルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムを放出させ、血液中のカルシウム濃度を一定に保ちます。

 

そのため、骨量が減少し、骨折や骨粗しょう症を起こす可能性が高くなります。

 

特に、閉経後の女性においては、ホルモンの影響で骨量が減少しやすくなります。

 

このほか、カルシウムの慢性的な不足が続くと、肩こりや腰痛、イライラするといった神経過敏な状態になることがあります。

 

 

2)リン(P)

 

リンは、肉類や卵黄、乳製品、大豆製品などのほか、加工食品に食品添加物としてリン酸塩がよく使用され、清涼飲料水にも酸味料として添加されています。

 

カルシウムに次いで体内に多く存在するミネラルであり、成人で体重の約1%を占めます。

 

このうち80〜85%はカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成しています。

 

残りの15〜20%は炭水化物、タンパク質、脂質の代謝に関与し、細胞膜の構成成分としてあらゆる細胞に存在しています。

 

リンとカルシウムの摂取割合は、利用効率の点から1:1が適当とされています。

 

不足すると骨軟化症や疲労感の原因となりますが、むしろ過剰摂取が懸念されます。

 

リンとカルシウムは血液中でバランスを保って存在していますが、リンの過剰摂取によって血液中のリンの濃度が上昇すると、骨から血液中にカルシウムを放出させてしまうためです。

 

また、腎臓機能の低下をもたらすことも分かっています。

 

 

3)マグネシウム(Mg)

 

マグネシウムは、大豆や納豆などの豆類、アーモンドやピーナッツなどの種実類、玄米などの未精製の穀類、海藻類に多く含まれます。

 

体内に存在するマグネシウムのうち、60〜65%は骨に存在し、カルシウムやリンとともに骨を構成しており、残りの35〜40%は筋肉や血液、細胞内に存在しています。

 

マグネシウムは、300種類以上もの酵素の働きをサポートし、エネルギー産生などをスムーズに行うなどの重要な働きに関与します。

 

また、神経の興奮を抑えたり、血管を拡張して血圧を下げる作用もあります。

 

筋肉の収縮は、筋肉細胞中にカルシウムが入ることで、緊張が高まって起こります。

 

このカルシウムの働きを調整しているのがマグネシウムです。

 

不足すると、細胞内にカルシウムが流れ込みすぎて、筋肉の収縮がうまくいかず、けいれんや震えなどの症状が現れます。

 

また、神経が興奮し、イライラしやすくなります。

 

慢性的に不足すると、不整脈などを引き起こし、虚血性心疾患のリスクが高まります。

 

体内に吸収されるマグネシウムの量は小腸で調整されていて、普通の食事で過剰症になることはありませんが、健康食品を利用して過剰に摂取すると下痢を起こすことがあります。

 

 

4)ナトリウム(Na)

 

ナトリウムは、主に食塩として食事から摂取しています。

 

食塩とは、ナトリウムイオンと塩素(Cl)イオンが結合した塩化ナトリウム(NaCl)のことをいいます。

 

細胞内外のミネラルバランスを保つために不可欠で、成人で体重の約0.15%を占めます。

 

その多くは、細胞外の体液(細胞外液)に含まれており、水分を保持しながら細胞外液や血液循環の量をコントロールしています。

 

過剰摂取により、細胞内外のミネラルバランスが崩れてむくみや高血圧、胃がんをもたらすことが知られています。

 

不足することはありませんが、多量に汗をかいたり、激しい下痢を起こしたり、利尿剤を利用して多量にナトリウムが排せつされると、食欲不振、倦怠感、けいれん、血圧降下などを引き起こします。

 

 

5)塩素(Cl)

 

塩素は、ナトリウムとともに食塩として摂取され、主に細胞外液に存在して血液の浸透圧の維持やpHを酸性に保つ働きをしています。

 

また、胃液にも含まれ、タンパク質の消化を促進しています。

 

塩素は過剰に摂取しても、汗や尿中に排せつされるため、過剰症の心配はありません。

 

食塩を適量に取っていれば欠乏症は起こさないが、利尿剤の服用や腎不全、長期間の嘔吐などで胃酸が失われることによって不足することがありません。

 

不足した場合、食欲不振や低塩素性アルカローシス※)を起こすことがあります。

 

※)アルカローシスとは、血液中の酸とアルカリのバランスが崩れてアルカリ性に傾くことをいいます。

ひどい場合は筋肉のけいれんが起きて、危険な状態となる。

 

 

6)カリウム(K)

 

カリウムは、野菜、果物、いも類などに多く含まれています。

 

体内に含まれるカリウムの量は、成人で体重の約0.2%を占めます。

 

その多くは細胞内の体液(細胞内液)に含まれており、細胞外液に多いナトリウムと作用し合いながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持しています。

 

また、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排せつを促す働きがあります。

 

カリウムは過剰に摂取しても尿中に排せつされるので過剰症になることはありませんが、腎機能が低下し、尿の排せつが困難になると、高カリウム血症を起こす場合があります。

 

また、下痢や嘔吐、利尿剤を長期間服用し、カリウムの排せつ量が増えると、脱力感、食欲不振といった欠乏症状が現れることもあります。

 

 

7)鉄(Fe)

 

鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収がよい。

 

ヘム鉄は、レバー、かつお、あさり、赤身の肉などの動物性食物に、非ヘム鉄は緑黄色野菜、穀類、海藻類などの植物性食物に多く含まれます。

 

タンパク質やビタミンCと同時に摂取すると、吸収率が上昇します。

 

体内に存在する鉄は約3〜4gであり、そのうち約70%は赤血球の色素であるヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっています。

 

これらは「機能鉄」と呼ばれ、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に供給する役割を担っています。

 

残りの30%の鉄は「貯蔵鉄」として肝臓や骨髄、脾臓、筋肉などに蓄えられ、機能鉄が不足したときに利用されます。

 

鉄が不足すると、鉄欠乏性貧血を起こし、酸素の運搬が滞るため、疲れやすい、頭痛、動悸、食欲不振などの症状が現れることもあります。

 

成長期や月経のある女性、妊産婦などには特に注意が必要です。

 

 

8)亜鉛(Zn)

 

亜鉛、牡蠣や牛肉、レバー、納豆、卵、ごまなどに多く含まれており、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率がよくなります。

 

成人の場合、体内に2〜4g存在し、新陳代謝、タンパク質や遺伝情報に関与するDNAやRNAの合成、インスリンの合成、免疫反応にかかわる酵素の構成成分となっています。

 

このように、働きが多岐にわたるため、不足すると皮膚炎、月経不順、成長障害、感染症への抵抗力低下など、さまざまな症状を起こします。

 

特に、口内には舌を中心に新陳代謝が活発な味蕾(みらい)細胞が存在しており、味蕾細胞は、約10〜12日で新たな細胞に生まれ変わるため、亜鉛が不足すると味を感じにくくなります。

 

 

9)銅(Cu)

 

銅は、レバー、干しえび、いか、たこ、牡蠣、アーモンドやくるみなどの種実類、納豆などに多く含まれています。

 

成人の場合、体内に約100〜150mg存在します。

 

赤血球のヘモグロビンを生成するために不可欠で、また、鉄の吸収を促進したり酵素の構成成分となって、多くの代謝に関与しています。

 

また、コラーゲンやエラスチンといった、血管や骨を丈夫にする成分をつくるため、動脈硬化や骨粗しょう症を予防します。

 

不足すると貧血、毛髪異常、白血球数減少、成長障害などが現れます。

 

 

10)ヨウ素(I)

 

ヨウ素は、わかめ、こんぶ、ひじき、のりといった海藻類、いわしやさばなどに豊富に含まれます。

 

成人の場合、体内に約10mgほど含まれており、そのほとんどは甲状腺に集中し、ホルモンの成分となっています。

 

甲状腺ホルモンは、基礎代謝を促進したり、酸素の消費量を増加させます。

 

幼児の場合、成長促進に欠かせません。

 

過剰に摂取しても不足しても甲状腺腫となるので、注意が必要です。

 

 

11)クロム(Cr)

 

クロムは、あなご、あさりなどの魚介類、ひじき、わかめなどの海藻類に多く含まれています。

 

成人の体内に存在する量はわずか2mgでありますが、炭水化物や脂質の代謝にかかわる重要なミネラルです。

 

インスリンの働きを助けて糖尿病を予防したり、血中コレステロール値や中性脂肪値を下げるので、動脈硬化や脂質異常症を予防するのに役立ちます。

 

必要量が極めて微量なため、通常の食事で不足することはありません。

 

ただし、過剰症としてクロムを取り扱う作業に従事している人に呼吸障害がみられた例があります。

 

 

12)モリブデン(Mo)

 

モリブデンは、レバーのほか大豆、グリンピース、枝豆などの豆類、ピーナッツなどの種実類、玄米などの穀類に多く含まれます。

 

植物性食物に多く含まれることが特徴で、それらが育った土壌のモリブデン含有量によってその量が大きく変わってきます。

 

成人の体内に含まれる量が9mg以下の微量元素です。

 

体内で発生した物質を尿酸という最終産物に変える酵素の働きを助ける作用があるため、過剰摂取により尿酸値が高くなったり、銅を排せつさせたりしてしまいます。

 

また、過去に土壌にモリブデンの濃度の低い地域でがんの発生率が高かったという報告があり、モリブデンの不足とがんの関連性が指摘されています。

 

 

13)セレン(Se)

 

セレンは、あじ、かつお、ほたてなどの魚介類、ねぎ、そばなどに多く含まれ、ビタミンCやEと同時に摂取すると、より効果的です。

 

成人の体内に約10mgほどしか含まれていませんが、体内で生成された過酸化物質を分解する酵素の重要な成分として、ビタミンCやEと同様に老化防止やがんを抑制する働きが注目されています。

 

過剰摂取により脱毛、しびれ、嘔吐、肝硬変などの中毒症状を起こすため、あくまでも食事からの摂取を基本とします。

 

 

14)マンガン(Mn)

 

マンガンは、玄米、くるみ、厚揚げなどに多く含まれます。

 

マンガンの多くは肝臓や膵臓などの臓器に10mg程度存在しており、炭水化物、タンパク質、脂質の代謝に重要な役割を果たしています。

 

また、骨の代謝にも欠かせません。

 

抗酸化作用を持つ酵素の成分でもあり、細胞膜の酸化を防ぎ、細胞を維持しています。

 

マンガンは過剰に取っても吸収されずに便に排泄されるため、過剰症はほとんどみられません。

 

普通の食生活であれば不足することはありませんが、不足した場合は骨の発達障害や生殖能力の低下がみられます。

 

 

15)コバルト(Co)

 

コバルトは、そば、貝類、のり、豆類、ひじきなどに多く含まれます。

 

単独では存在せず、主にビタミンB12の構成成分として体内に約1.5mg存在しています。

 

作用は、ビタミンB12と類似する部分が多く、ヘモグロビンの合成を助け、赤血球の産生にたずさわっています。

 

普通の食生活では過剰摂取の心配はありません。

 

不足した場合は、赤血球が正常に合成されずに巨赤芽球性貧血を起こします。

 

 

16)イオウ(S)

 

イオウは、魚介類、肉類、牛乳、卵などに多く含まれています。

 

体内で単独で存在することができず、タンパク質などと結合して、軟骨や腱、毛髪やつめを中心にあらゆる細胞に存在しています。

 

炭水化物や脂質の代謝に間接的に作用したり、胆汁の成分になったり、有害なミネラルの蓄積を防いだりする働きがあります。

 

イオウは過剰に摂取しても尿中に排泄されるため、過剰症の心配はありません。

 

通常の食事を取っていれば欠乏症を起こしませんが、不足した場合、毛髪やつめが弱くなったり、関節炎などが起こりやすくなると考えられています。

 

 

17)そのほかのミネラル

 

カドミウム、水銀、鉛、ヒ素などは人体に有害です。

 

 

 

 

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