仕事だけの人生に疲れたとき「時間の行き先」を数えれば自分の時間を取り戻せる!ローマの哲学者の対策を紹介
朝起きて仕事に行き、帰ってきたら寝るだけの毎日。
気づけば1週間が過ぎ、1か月が過ぎ、自分のために使った時間がほとんど思い出せない。
そんなふうに、仕事だけで終わっていく人生に、疲れを感じることはありませんか?
仕事だけの人生に疲れたときは、自分の「時間の行き先」を数えることで、自分のための時間を取り戻せます。
なぜなら、自分の時間がないと感じる原因の多くは、時間がどこに消えているのかが見えていないことにあるから。
実はこの考え方、約2000年前のローマの哲学者セネカが、仕事に追われる友人に宛てて書き残したもの。
セネカは、人生が短いのではなく、私たちがその多くを浪費しているのだと書いています。
その言葉が、仕事だけの毎日から抜け出すための大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 仕事だけの人生に疲れてしまう理由
- ローマの哲学者セネカが、忙しい友人に伝えた時間の考え方
- 「時間の行き先」を数えて、自分の時間を取り戻す方法
この記事を読めば、仕事に追われる毎日の中に、自分のための時間を作れるようになります。
仕事だけの人生に疲れるのは、自分のための時間がどこにもないから

仕事だけの人生に疲れるのは、仕事が嫌いだからとは限りません。
仕事にやりがいを感じている人でも、同じように疲れを感じることがあります。
疲れの原因は、仕事そのものよりも、1日の中に「自分のための時間」がどこにもないこと。
自分の時間がない毎日が続くと、何のために働いているのかさえ、わからなくなってしまうのです。
ここでは、仕事だけの毎日になってしまう理由を見ていきます。
気づけば、1日の大半が仕事に使われている
平日の1日を振り返ってみると、時間の多くが仕事に関わることで埋まっています。
・朝の準備と通勤
・仕事そのもの
・帰りの通勤と、残った仕事の連絡
家に帰れば、食事とお風呂で、あっという間に寝る時間。
休日は、平日の疲れを取るだけで終わってしまう。
こうして、自分のために使える時間は、いつの間にか消えていきます。
「落ち着いたら」「定年したら」と、自分の時間を後回しにしてしまう
自分のための時間がないと感じながらも、私たちはつい、こう考えてしまいます。
・この仕事が落ち着いたら、ゆっくりしよう
・子どもが大きくなったら、好きなことをしよう
・定年したら、やりたかったことを全部やろう
でも、仕事が落ち着く日は、なかなかやってきません。
後回しにしているうちに、自分の時間はどんどん先へ送られてしまうのです。
実は、約2000年前にも、同じように自分の時間を後回しにする人たちがいました。
その人たちに向けて書かれたのが、ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』です。
セネカに学ぶ|人生は短いのではなく、私たちが短くしている

セネカは、約2000年前のローマで活躍した哲学者です。
皇帝ネロの教育係を務めたことでも知られています。
そのセネカが、仕事に追われる友人に宛てて書いたのが『人生の短さについて』。
忙しく働く人に向けて、時間の使い方を説いた本です。
ここでは、セネカがどんな相手に、何を伝えようとしたのかを紹介します。
『人生の短さについて』は、忙しく働く友人に宛てて書かれた
セネカがこの本を宛てた友人パウリヌスは、ローマの穀物の供給を任されていた役人でした。
都市ローマの人々の食べ物を支える、責任の重い仕事です。
毎日仕事に追われる友人に向けて、セネカは時間の使い方について書きました。
約2000年前の話ですが、仕事に追われる毎日という点では、今の私たちと変わりません。
「人生が短いのではない。私たちがその多くを浪費しているのだ」
セネカは、『人生の短さについて』の第1章で、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 私たちに与えられた時間が短いのではない。私たちがその多くを浪費しているのだ。
さらにセネカは、人生は十分に長く、うまく使えば大きなことを成し遂げられるほどの時間が与えられている、と続けています。
時間が足りないと感じるのは、時間そのものが少ないからではない。
時間の使い道に気づかないまま、知らないうちに流してしまっているからだ、というのです。
「生きるのをやめるときになって生き始めるのは、遅すぎる」
セネカは、第3章で、自分の時間を後回しにする人たちについて、こう書いています。
「50歳になったら引退して暇な暮らしに入ろう、60歳になったら公の務めから解放されよう」と言う人は多い。
でも、それまで生きていられるという保証が、どこにあるのか。
そしてセネカは、こう続けます(訳は筆者によるもの)。
> 生きるのをやめなければならないときになって、生き始めるとは、なんと遅いことか。
自分の時間を「いつか」に送り続けていると、その「いつか」は来ないかもしれない。
だからこそ、自分のための時間は、今の生活の中で取り戻す必要があるのです。
では、どうすれば自分の時間を取り戻せるのか。
セネカは、その最初の一歩として、時間の「決算」をすすめています。
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仕事だけの人生に疲れたとき「時間の行き先」を数えれば自分の時間を取り戻せる

自分の時間を取り戻すために必要なのは、仕事を辞めることではありません。
まず、自分の時間がどこに消えているのかを知ることです。
セネカは第3章で、年を重ねた人に向けて、こう呼びかけています。
自分の人生を振り返って決算をしてみなさい、そして、自分の時間のどれだけが誰に、何に取られてきたかを数えてみなさい、と。
この「時間の決算」を、今の生活に合わせて、4つの手順で紹介します。
手順1:1週間の時間の行き先を書き出す
まず、ふだんの1週間で、時間が何に使われているかを書き出します。
・仕事:〇時間
・通勤:〇時間
・家事:〇時間
・なんとなく見ているスマホやテレビ:〇時間
・自分のためにやりたいことをした時間:〇時間
だいたいの数字でかまいません。
書き出してみると、思っていた以上に時間が流れ出ている場所が見えてきます。
手順2:「自分のための時間」が何時間あるかを数える
書き出した中から、「自分のため」に使えた時間だけを数えます。
・好きな本を読んだ
・やりたかった趣味に打ち込んだ
・大切な人とゆっくり話した
セネカは、決算をしてみれば、自分のために残された時間がいかに少ないかに気づくだろう、と書いています。
数字にしてみると、自分の時間の少なさが、はっきりと目に見えるはずです。
手順3:週に1つ、「自分のための時間」を先に予定に入れる
次に、来週の予定を立てるとき、仕事の予定より先に、自分のための時間を1つ入れます。
・水曜日の夜は、1時間だけ本を読む
・土曜日の午前中は、好きなことだけをする
・日曜日の朝は、散歩をしながら考えごとをする
空いた時間に自分の時間を作ろうとすると、いつまでも空き時間は生まれません。
先に予定に入れてしまうことで、自分の時間は守られます。
手順4:時間の流れ出ている場所を、1つだけ減らす
最後に、手順1で見えた「時間が流れ出ている場所」を、1つだけ減らします。
・寝る前のスマホを、30分短くする
・必要のない飲み会を、1つ断る
・家事の一部を、家電やサービスに任せる
全部を一度に変える必要はありません。
1つ減らすだけでも、自分のための時間は少しずつ増えていきます。
自分の時間を守るための、セネカのもう1つの考え方

時間の行き先を数え、自分の時間を予定に入れても、またすぐに仕事に押し流されそうになることがあります。
自分の時間を守り続けるには、時間に対する考え方そのものを変えることも大切です。
セネカは、同じ第3章で、時間をお金と比べて考えることをすすめています。
ここでは、自分の時間を守るための、セネカの考え方を紹介します。
お金は人に渡さないのに、時間は惜しげもなく人に渡している
セネカは、第3章でこう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 自分のお金を人に分け与えようとする人は、どこにもいない。それなのに、私たちは自分の人生を、なんと多くの人に分け与えていることか。
自分の土地を少しでも奪われそうになれば、人は必死で守ろうとします。
お金を勝手に使われそうになれば、すぐに断ります。
それなのに、時間だけは、頼まれるままに、惜しげもなく人に渡してしまう。
セネカは、本当にけちになるべきなのは、お金ではなく時間のほうだと言うのです。
時間を、お金と同じくらい大切なものとして扱う。
それだけで、なんとなく引き受けていた用事や、なんとなく過ごしていた時間に、気づけるようになります。
まとめ:仕事だけの人生に疲れたら「時間の行き先」を数えてみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
仕事だけの人生に疲れるのは、自分のための時間がどこにもないから
1日の大半が仕事に使われ、自分のための時間は「落ち着いたら」「定年したら」と後回しにされてしまいます。
自分の時間がない毎日が続くと、何のために働いているのかさえ、わからなくなってしまいます。
セネカは「人生が短いのではなく、私たちが浪費している」と書いた
約2000年前、セネカは忙しく働く友人に、人生は十分に長いと伝えました。
そして、生きるのをやめるときになって生き始めるのは遅すぎる、と書いています。
時間の行き先を数え、自分の時間を先に予定に入れ、流れ出ている時間を1つ減らす
1週間の時間の行き先を書き出す。
自分のための時間が何時間あるかを数える。
自分のための時間を、仕事より先に予定に入れる。
時間の流れ出ている場所を、1つだけ減らす。
仕事も大切ですが、あなたの人生は、仕事だけのものではありません。
今日から少しずつ、あなたが自分の時間を取り戻せることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


セネカの本を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、セネカの『人生の短さについて』に収められています。
日本語訳は、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- セネカ『人生の短さについて』第1章・第3章(英訳:John W. Basore 訳 “On the Shortness of Life”、Wikisource https://en.wikisource.org/wiki/On_the_shortness_of_life)
