浪費癖を治したいとき「買う前に自分に問いかける」ことで使いすぎを止められる!二宮尊徳の対策を紹介
また、余計なものを買ってしまった。
ストレスがたまると、つい買い物をしてしまい、月末になって残高を見て落ち込む。
そんなふうに、わかっているのにやめられない浪費癖に悩むことはありませんか?
浪費癖を治したいときは、買う前に「自分に問いかける」ことで、使いすぎを止められます。
なぜなら、浪費の多くは、欲しいと思った気持ちのまま、立ち止まらずにお金を使ってしまうことから起きているから。
実はこの考え方、江戸時代の終わりに、多くの村の暮らしを立て直した二宮尊徳が、弟子に語り聞かせたもの。
尊徳は、ぜいたくをしたい気持ちが起きたときは、自分の心で自分の心に意見をせよ、と教えていました。
その言葉が、浪費癖を治すための大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 浪費癖が、なかなか治らない理由
- 二宮尊徳が弟子に語った「自分の心で自分の心に意見をする」という教え
- 買う前に自分に問いかけて、使いすぎを止める方法
この記事を読めば、欲しい気持ちに流されず、自分で納得したお金の使い方ができるようになります。
浪費癖が治らないのは、欲しい気持ちのまま立ち止まらずに買ってしまうから

浪費癖に悩むのは、それだけお金を大切にしたいと思っているからです。
本当にどうでもよければ、使いすぎを気にすることもありません。
ただ、わかっているのにやめられないのには、はっきりした理由があります。
欲しいと思ってから買うまでのあいだに、立ち止まる「すき間」がないことが、使いすぎを繰り返させているのです。
ここでは、浪費癖がなかなか治らない理由を見ていきます。
買い物が、気持ちを落ち着かせる手段になっている
浪費のきっかけを振り返ると、欲しいものがあったからとは限りません。
・仕事で嫌なことがあった日に、つい買い物をしてしまう
・疲れているときほど、ネットで注文してしまう
・セールの知らせを見ると、必要なくても買ってしまう
買い物が、ストレスや疲れをまぎらわす手段になっていると、気持ちが沈むたびにお金を使ってしまいます。
欲しいものを買っているのではなく、気持ちを落ち着かせるために買っているのです。
今は、立ち止まる前に買えてしまう
今の暮らしは、欲しいと思った瞬間に買えるしくみであふれています。
・スマホで、ボタン1つで注文できる
・カードやスマホ決済で、お金を払っている感覚が薄い
・「残りわずか」「今だけ」の言葉に、急かされる
欲しいと思ってから買うまでが短いほど、考える時間はなくなります。
立ち止まるすき間がないから、気づいたときには使いすぎてしまっているのです。
では、どうすれば欲しい気持ちに流されずにすむのか。
そのヒントを、江戸時代の終わりに生きた二宮尊徳が、弟子に語り残しています。
二宮尊徳に学ぶ|ぜいたくをしたい気持ちには、自分の心で意見をすればいい

二宮尊徳(金次郎)は、江戸時代の終わりに生きた農政家です。
貧しい農家に生まれながら、自分の家を立て直し、その後は多くの村や藩の暮らしを立て直しました。
尊徳の教えは、弟子の福住正兄が書き留めた『二宮翁夜話』にまとめられています。
その中に、浪費やぜいたくの気持ちとの付き合い方について語った話があります。
ここでは、尊徳が弟子に語った教えを紹介します。
「己が心にて、己が心に異見せよ」
尊徳のもとで学んでいた1人の弟子が、故郷に帰ることになりました。
その弟子は、人にあれこれと説いて聞かせるのが好きな人でした。
尊徳は、その弟子にこう諭しました(『二宮翁夜話』巻之一)。
> 人に説く事を止めて、おのれが心にて、己が心に異見せよ。
人に説いて聞かせるのはやめて、自分の心で、自分の心に意見をしなさい、という意味です。
尊徳は、意見をする心も、意見をされる心も、どちらも自分の心の中にある、と言います。
だから、寝ても覚めても、座っていても歩いていても、いつでも自分に意見ができるのだ、と。
「止めざる時は幾度も異見せよ」
尊徳は、自分の心への意見の仕方を、こう具体的に語っています。
> 若し己酒を好まば、多く飲む事を止めよと異見すべし。速に止めばよし、止めざる時は幾度も異見せよ。其外驕奢の念起る時も、安逸の欲起る時も皆同じ。
もし自分が酒を好むなら、多く飲むのはやめよと、自分に意見をしなさい。
すぐにやめられればそれでよい。
やめられないときは、何度でも意見をしなさい。
ぜいたくをしたい気持ちが起きたときも、楽をしたい気持ちが起きたときも、みな同じだ、という意味です。
尊徳は、一度でやめられなくてもいい、何度でも自分に意見をすればいい、と教えていたのです。
ここからは、尊徳の教えを、浪費癖を治したいときに使える手順にして紹介していきます。
スポンサーリンク
浪費癖を治したいとき「買う前に自分に問いかける」ことで使いすぎを止められる

浪費癖を治すために必要なのは、欲しい気持ちを無理に押さえつけることではありません。
買う前に、自分の心に問いかける「すき間」を作ることです。
すき間があれば、欲しい気持ちに流されず、自分で納得して決められるようになります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:使いすぎたときの場面を書き出す
まず、使いすぎてしまったときの場面を書き出します。
・仕事で疲れた日の帰り道に、コンビニでお菓子をたくさん買った
・寝る前にスマホを見ていて、つい服を注文した
・セールの知らせを見て、必要のないものを買った
書き出してみると、使いすぎる場面には、決まった流れがあることに気づくはずです。
その流れがわかれば、どこで立ち止まればいいかが見えてきます。
手順2:自分に問いかける言葉を、1つ決めておく
次に、買う前に自分に問いかける言葉を、1つ決めておきます。
・「これは、明日の自分も欲しいと思うか」
・「これは、疲れをまぎらわすための買い物ではないか」
・「これがなくて、本当に困るか」
尊徳の言う「自分の心で、自分の心に意見をする」を、短い言葉にしておくのです。
言葉が決まっていれば、買う前にすぐ思い出せます。
手順3:買う前に、問いかけの言葉を唱えて1日待つ
欲しいものが出てきたら、決めた言葉を自分に問いかけ、すぐには買わずに1日待ちます。
・ネットの買い物は、カートに入れたまま1日置く
・お店では、「明日また来よう」と一度その場を離れる
・1日たっても欲しければ、そのときに買う
1日待つだけで、欲しい気持ちが落ち着くことは少なくありません。
待ったうえで買うなら、それは自分で納得した買い物です。
手順4:止められなかった日も、また問いかける
問いかけても、買ってしまう日はあります。
そんな日も、自分を責める必要はありません。
尊徳は、やめられないときは何度でも意見をせよ、と教えていました。
止められなかった日は、「次はどこで立ち止まれそうか」を1行だけ書いて、また次から問いかければいいのです。
一度で治そうとしなくて大丈夫です。
問いかけを何度も繰り返すうちに、立ち止まれる日が少しずつ増えていきます。
浪費の気持ちを小さくするための、ローマの哲学者のもう1つの考え方

買う前に問いかけられるようになると、欲しいという気持ちそのものとも、少しずつ向き合えるようになります。
欲しい気持ちは、どこから生まれてくるのでしょうか。
約2000年前のローマの哲学者セネカも、尊徳とよく似たことを書き残しています。
ここでは、浪費の気持ちを小さくするための、セネカの考え方を紹介します。
「自然に従って生きれば貧しくならない。人の目に従って生きれば豊かにならない」
セネカは、友人に宛てた手紙(『倫理書簡集』第16書簡)の中で、哲学者エピクロスの言葉を引いて、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 自然に従って生きれば、決して貧しくはならない。人の目に従って生きれば、決して豊かにはならない。
さらにセネカは、自然が求めるものはわずかだが、人の目が求めるものには限りがない、と続けています。
本当に必要なものは、思っているより少ないもの。
人にどう見られたいか、という気持ちで買うものには、終わりがありません。
買う前の問いかけに、「これは、人の目のために買おうとしていないか」を加えてみる。
それだけで、欲しい気持ちの多くが、すっと小さくなっていくのです。
まとめ:浪費癖を治したいときは「買う前に自分に問いかける」を試してみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
浪費癖が治らないのは、欲しい気持ちのまま立ち止まらずに買ってしまうから
買い物が、ストレスや疲れをまぎらわす手段になっていることがあります。
今は、欲しいと思った瞬間に買えてしまい、立ち止まるすき間がありません。
二宮尊徳は「己が心にて、己が心に異見せよ」と教えた
ぜいたくをしたい気持ちが起きたときは、自分の心で自分の心に意見をする。
やめられないときは、何度でも意見をすればいい、と尊徳は語っていました。
使いすぎる場面を書き出し、問いかけの言葉を決めて、買う前に1日待つ
使いすぎたときの場面を書き出す。
自分に問いかける言葉を、1つ決めておく。
買う前に、問いかけの言葉を唱えて1日待つ。
止められなかった日も、また問いかける。
浪費癖は、一度で治そうとしなくても大丈夫です。
あなたが、自分で納得できるお金の使い方を、少しずつ身につけていけることを、心から応援しています。
同じようにお金に悩むときに役立つ記事です。


『二宮翁夜話』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、二宮尊徳の教えを弟子の福住正兄が書き留めた『二宮翁夜話』に収められています。
原文で読める1冊と、今の言葉に訳した1冊があります。
参考文献
- 福住正兄『二宮翁夜話』巻之一 第37話(原文の確認:二宮尊徳『二宮翁夜話』巻之一〜巻之五 http://sybrma.sakura.ne.jp/31ninomiyaouyawa.html)
- セネカ『倫理書簡集』第16書簡 第7〜8節(英訳:Richard Mott Gummere 訳、Wikisource https://en.wikisource.org/wiki/Moral_letters_to_Lucilius/Letter_16)
