仕事が暇でつらいとき「頼まれていない役立つこと」を1つ作れば時間が充実する!ローマの哲学者の対策を紹介
仕事が暇で、つらい。
やることがなく、時計の針が進むのを待つだけの1日。
忙しい人から見ればうらやましいかもしれないけれど、何もすることがない時間は、思っている以上に苦しいものです。
そんなふうに、暇すぎてつらいと感じることはありませんか?
仕事が暇でつらいときは、「頼まれていない役立つこと」を1つ作ることで、時間が充実します。
なぜなら、暇がつらいのは、時間があるからではなく、その時間に自分が役に立っている手ごたえがないから。
実はこの考え方、約2000年前のローマの哲学者セネカが、心の落ち着かなさに悩む友人に宛てて書き残したもの。
セネカは、することがないと嘆く人の心の苦しさを描いたうえで、よい人の働きは、どんな形でも決してむだにはならないと書いていました。
その言葉が、暇でつらい時間を変えるための大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 仕事が暇だと、つらくなってしまう理由
- ローマの哲学者セネカが書いた「よい人の働きは、決してむだにならない」という考え方
- 「頼まれていない役立つこと」を作って、時間を充実させる方法
この記事を読めば、暇な時間を持てあますことなく、自分なりに手ごたえのある時間に変えられるようになります。
仕事が暇でつらいのは、自分が役に立っている手ごたえがないから

仕事が暇でつらいと感じるのは、それだけ働くことに誠実に向き合っている証拠です。
何もしないで給料をもらうことに、落ち着かなさを感じているのです。
ただ、つらさの正体は、時間が余っていることそのものではありません。
その時間に、自分が誰かの役に立っているという手ごたえがないことが、心を重くしているのです。
ここでは、仕事が暇だと、つらくなってしまう理由を見ていきます。
時間がたつのが、とても遅く感じられる
仕事が暇な日は、時間の進み方が違って感じられます。
・まだ10時なのかと、何度も時計を見てしまう
・仕事をしているふりをするのに、気をつかう
・定時までの時間が、とても長く感じられる
やることがない時間は、忙しい時間よりも、ずっと長く感じられます。
その長さが、じわじわと心を疲れさせていくのです。
「自分はいなくてもいいのでは」と感じてしまう
暇な日が続くと、こんな気持ちも生まれてきます。
・自分の仕事は、必要とされていないのかもしれない
・忙しそうな同僚を見ると、取り残された気がする
・このままここにいて、力がつくのだろうか
役に立っている手ごたえがないと、自分の居場所まで、なくなっていくように感じられます。
暇のつらさは、体の疲れではなく、心の疲れなのです。
では、暇でつらい時間を、どう変えればいいのか。
そのヒントを、約2000年前のローマの哲学者セネカが、友人に宛てて書き残しています。
セネカに学ぶ|よい人の働きは、どんな形でも決してむだにならない

セネカは、約2000年前のローマで活躍した哲学者です。
皇帝ネロの教育係を務めたことでも知られています。
そのセネカが、心が落ち着かないと悩む友人セレヌスに宛てて書いたのが、『心の平静について』です。
その中で、セネカは、することがなくて苦しむ人の心についても書いています。
ここでは、セネカが友人に伝えた、暇な時間との向き合い方を紹介します。
することがないと嘆く人の心は、落ち着かない
セネカは、『心の平静について』第2章で、することがないことに苦しむ人の様子を、こう描いています。
自分の暇をうとましく思い、することがないと嘆き、ほかの人が先に進んでいくのを、苦い気持ちで眺めている。
そうした人の心は、満たされない期待に揺れ動き、落ち着くことがない、と。
約2000年前にも、暇でつらい思いをしていた人がいたのです。
セネカは、その苦しさを、軽く見てはいけないものとしてとらえていました。
「よい市民の働きは、決してむだにならない」
そのうえでセネカは、第4章で、思うように活躍の場が得られないときの心がまえを、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> よい市民の働きは、決してむだにならない。その人は、人に話を聞かせ、姿を見せ、表情やしぐさ、静かな決意、その歩き方によってさえ、よい影響を与えている。
大きな仕事を任されていなくても、人の役に立つ方法はいくらでもある、というのです。
目立たないところでの小さな働きも、周りの人にきちんと届いている。
暇な時間は、そうした小さな働きを生み出せる時間でもあるのです。
ここからは、セネカの考え方を、仕事が暇でつらいときに使える手順にして紹介していきます。
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仕事が暇でつらいとき「頼まれていない役立つこと」を1つ作れば時間が充実する

暇でつらい時間を変えるために必要なのは、仕事を与えてもらえるのを待つことではありません。
頼まれてはいないけれど、誰かの役に立つことを、自分で1つ作ることです。
自分で作った仕事が誰かの役に立てば、暇だった時間は、手ごたえのある時間に変わります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:職場で「誰かが困っていること」を書き出す
まず、職場を見回して、誰かが困っていそうなことを書き出します。
・共有の書類の置き場所が、ばらばらでわかりにくい
・よく聞かれる質問の答えが、どこにもまとまっていない
・新しく入った人が、仕事の手順で迷っている
暇な時間があるからこそ、忙しい人には見えない「困りごと」に気づけます。
それが、自分にしかできない仕事のたねになります。
手順2:その中から、自分にできることを1つ選ぶ
書き出した困りごとの中から、自分にできそうなことを1つ選びます。
・書類の置き場所を整理して、一覧を作る
・よくある質問と答えを、1枚の紙にまとめる
・仕事の手順を、新しい人向けに書き出しておく
大きなことでなくてかまいません。
今ある時間の中で、少しずつ進められることを選びます。
手順3:上司に「これをやってもいいですか」とひとこと伝える
取りかかる前に、上司にひとこと伝えておきます。
・「手が空いているので、書類の整理をしてもいいですか」
・「よくある質問をまとめておこうと思うのですが、どうでしょう」
ひとこと伝えておけば、上司も安心できますし、ほかに頼みたい仕事があれば教えてもらえます。
自分から動く姿は、セネカの言う「姿を見せることでの働き」にもなります。
手順4:仕上げたら、誰の役に立ったかを確かめる
できあがったら、それが誰の役に立ったかを確かめます。
・整理した書類の一覧を、同僚が使ってくれた
・まとめた質問集で、新しい人が迷わずにすんだ
・上司から、「助かった」と言われた
自分で作った仕事が、誰かに届いたとわかれば、暇だった時間の意味が変わります。
それは、もう「何もしていない時間」ではないのです。
暇な時間を自分のために生かす、セネカのもう1つの考え方

職場の役に立つことを作っても、それでも時間が余ることはあります。
そんなときは、その時間を、自分を育てるために使うことも考えてみてください。
セネカは、友人に宛てた別の手紙の中で、学びのない暇について、厳しい言葉を残しています。
ここでは、暇な時間を自分のために生かすための、セネカの考え方を紹介します。
「学びのない暇は、生きながら埋もれているようなものだ」
セネカは、『倫理書簡集』第82書簡の中で、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 学びのない暇は、生きながら埋もれているようなものだ。
厳しい言葉ですが、裏を返せば、学びのある暇は、自分を大きく育ててくれる時間だということです。
暇な時間に、仕事に関係する本を読む。
資格の勉強を少しずつ進める。
社内の別の仕事のやり方を、見せてもらう。
今は暇でつらい時間も、学びに使えば、いつか忙しくなったときに、自分を助けてくれる力になります。
まとめ:仕事が暇でつらいときは「頼まれていない役立つこと」を1つ作ってみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
仕事が暇でつらいのは、自分が役に立っている手ごたえがないから
やることがない時間は、とても長く感じられます。
「自分はいなくてもいいのでは」という気持ちが、心を疲れさせてしまいます。
セネカは「よい市民の働きは、決してむだにならない」と書いた
大きな仕事を任されていなくても、人の役に立つ方法はいくらでもある。
目立たない小さな働きも、周りの人にきちんと届いている、とセネカは書いています。
誰かの困りごとを書き出し、自分にできることを1つ選んで、ひとこと伝えて取りかかる
職場で誰かが困っていることを書き出す。
その中から、自分にできることを1つ選ぶ。
上司に、これをやってもいいかひとこと伝える。
仕上げたら、誰の役に立ったかを確かめる。
暇な時間は、使い方しだいで、自分にしかできない仕事を生み出す時間になります。
あなたが、暇でつらい時間を、手ごたえのある時間に変えていけることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


セネカの本を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、セネカの『人生の短さについて』に収められています。
日本語訳は、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- セネカ『心の平静について』第2章・第4章(英訳:Aubrey Stewart 訳 “Of Peace of Mind”、Wikisource https://en.wikisource.org/wiki/Of_Peace_of_Mind)
- セネカ『倫理書簡集』第82書簡 第3節(英訳:Richard Mott Gummere 訳、Wikisource https://en.wikisource.org/wiki/Moral_letters_to_Lucilius/Letter_82)
