KDDIアイレットが、社内のAI活用の例113件を無料で公開。約44%はエンジニア以外の例で、経理の領収書の確認や稟議のチェックにも
・KDDIグループのKDDIアイレットが、社員のAI活用の例113件をまとめた特設のページを、無料で公開した。2026年1月〜7月に社内で集めたもの
・113件のうち、エンジニアの例が63件、営業や人事、経理などエンジニア以外の例が50件(約44%)。1件ずつ「何分かかっていた作業が何分になったか」まで載っている
・例を集めること自体にもGeminiを使った。決まった質問で社員に聞き取りをするAIを作り、社員は質問に答えるだけで、同じ形の例が集まったという
KDDIアイレットは、社員のAI活用の例113件を、特設のページで無料で公開しています。
会社でAIを広げようとすると、「他の人はどう使っているのか」が分からないことが、大きな壁になります。とくにエンジニア以外の人は、自分の仕事のどこにAIを使えるのかが想像しにくいものです。今回の例は、その疑問に答える材料になります。
この記事では、KDDIアイレットの公開したページとブログで分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
113件の内訳
まずは、例の中身です。
特設のページとブログによると、次のとおりです。
| 区分 | 件数 |
|---|---|
| エンジニア | 63件 |
| エンジニア以外(営業、人事、経理など) | 50件 |
| 合計 | 113件 |
| 使い道 | 件数 |
|---|---|
| 文章の作成・校正 | 31件 |
| プログラム作り・不具合の修正 | 30件 |
| その他 | 21件 |
| アイデア出し | 14件 |
| データの分析・整理 | 14件 |
| 翻訳・語学 | 3件 |
使われた道具は、Gemini、Claude、Gemini Notebook(旧NotebookLM)、Cursor、ChatGPT、Copilotなどです。ページでは、平均の時間の削減率を60%超としています。
エンジニア以外の例も多い
次に、エンジニア以外の例です。
ブログでは、経理の領収書の確認、内部監査での稟議のデータの確認、イベントの司会の台本、広告の数字の毎日の転記、イベントの報告書づくりなどの例が挙げられています。特設のページには、たとえば次のような例が載っています。
・プレスリリースのWordPress用の入稿データづくり:90分 → 40分(Gemini)
・提案のスライドの構成案づくり:半日 → 30分(Gemini)
・イベントの報告書づくり:3時間 → 30分(Gemini Notebook)
・メールマガジンの内容づくり:60分 → 5分(Claude)
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例を集めるのにもAIを使った
ここで、例の集め方を見ておきます。
広報の担当者によると、Geminiで「聞き取り役のAI」を作り、社員にはチャットで質問に答えてもらうだけにしたそうです。AIが「その作業、前は何分かかっていましたか?」と深掘りするので、社員は文章を書かずに済み、だれが答えても同じくらいの細かさの例が集まったといいます。図解はGoogleの画像を作るAI、SNSの投稿文もAIで作り、担当者は確認と予約だけをしていたそうです。
仕事はどう変わるか:AIの使い方は「他の人の例」から見つける時代に
ここからは、公開された情報をもとにした僕の見方です。
今回の公開で注目したいのは、AIの使い道の「見つけ方」だと考えています。
AIの道具の説明を読んでも、自分の仕事のどこに使えるかは、なかなか分かりません。ところが「経理の領収書の確認が何分になった」という具体的な例を見ると、自分の仕事に置きかえやすくなります。113件の約44%がエンジニア以外の例だったことは、AIがすでに事務の仕事の道具になっていることを示しています。
10月24日に紹介した調査では、課題をはっきりさせてからAIを入れた会社ほど成果を感じていました。他の人の具体的な例は、自分の課題を見つける近道にもなります。
1人で仕事を回している個人事業主にとっても、113件の中から自分の仕事に近い使い道を探し、1つまねしてみるのは、AIを使い始めるよい入り口になりそうです。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・例は2026年1月〜7月に社内で集めたもの。その後に出た新しい道具や機能は入っていない
・削減の時間は、それぞれの社員の感じ方や測り方による
・例を集めるのに使ったGeminiのGemは、個人のアカウントでは2026年11月に「スキル」に切りかわる(Gemsの記事)
まとめ:KDDIアイレットがAI活用の例113件を公開。エンジニア以外の例が約44%
KDDIアイレットは、社員のAI活用の例113件を、特設のページで無料で公開しました。約44%はエンジニア以外の例で、1件ずつ作業の時間がどう変わったかまで載っています。例を集めること自体にもAIを使いました。
AIの使い道は、道具の説明からではなく、他の人の具体的な例から見つけるほうが早い、ということがよく分かる公開だ、というのがいちばん大きな学びです。
AIの使い方に迷っている人は、まず特設のページで自分の仕事に近い使い道を絞り込み、1つまねしてみるのがよさそうです。
出典
・KDDIアイレット「AI 活用事例 – KDDIアイレット社員の AI 実践録」 https://cloudpack.jp/lp/ai-use-cases/
・iret.media「Gemini で社内の AI 活用事例113件を収集!広報が毎日発信し続けた話」(2026年10月27日) https://iret.media/210349
