オーティファイが「Autify Security」の先行利用の募集を開始。複数のAIエージェントがプログラムの弱点を探し、本当に悪用できるかを確かめてから、直す案まで届ける
・国内のオーティファイが2026年11月4日、AIエージェントでプログラムの弱点(脆弱性)を探して直す「Autify Security」の、先行利用(アーリーアクセス)の会社の募集を始めた。受付は12月15日まで
・役割の違う複数のAIエージェントが、プログラムと使っている部品を調べて弱点を探し、外から切り離した環境で、本当に悪用できるかを再現して確かめる。再現できたものだけを、証拠つきで知らせる
・AIが直す案を作り、悪用できなくなったことと、今あるテストが通ることを確かめてから示す。直したあとも、決めた間隔で点検を続ける。取り込むかどうかは、開発者が決める
オーティファイは2026年11月4日、AIでプログラムの弱点を探して直す「Autify Security」の先行利用の募集を始めたと発表しました。
プログラムの弱点は、公開されてから悪用されるまでの時間が、どんどん短くなっています。オーティファイは、米国の調査会社VulnCheckの調べをもとに、2026年上半期に悪用が確かめられた弱点の約4件に1件は、公開の当日までに悪用されていたとしています。一方で、自社のプログラムの弱点は、定期的な点検に頼りがちで、次の点検までのあいだの変更は確かめられないまま公開されることがあると、オーティファイは指摘しています。
この記事では、オーティファイの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
役割の違うAIエージェントが、分担して弱点を探す
まずは、仕組みです。
オーティファイの発表によると、次の5つの段階で進みます。
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| ①リポジトリをつなぐ | GitHubのリポジトリをつなぐだけで始められる。点検の間隔は毎日、毎週、手動から選ぶ。試験用の環境を指定すれば、動いているアプリも確かめられる |
| ②分担して調べる | 全体を指揮するエージェントが、アプリの入り口を洗い出し、使っている部品を調べるエージェントと、プログラムを読んで弱点を探すエージェントに仕事を振り分ける。試験用の環境があれば、侵入を試すエージェントも加わる |
| ③証拠つきで知らせる | 切り離した環境で、悪用が本当に成り立つかを確かめ、再現できたものだけを知らせる。深刻さ、実際の動き、影響、記録がつく |
| ④直す案を届ける | AIが直すプログラムを作り、悪用できなくなったことと、今あるテストが通ることを確かめてから示す |
| ⑤確かめ続ける | 直したあとも同じ手順で確かめ、決めた間隔で点検を続ける |
秘密のファイルは除き、学習には使わない
次に、安全のための決まりです。
・パスワードや鍵などの秘密を含むファイルは、調べる前に外す
・再現と、直したかどうかの確かめは、外から切り離した環境で行う
・預かったプログラムを、AIの学習に使わない契約や設定のAIの会社だけを使う
・直す案を取り込む手続き(プルリクエスト)は、自動では作らない。開発者が確かめて操作したときだけ作る
・試験用の環境で試せるのは、自社で管理しているか、試す許可を得ている環境だけ。本番の環境で動かすことは考えていない
・専門家による点検を置きかえるものではなく、点検と点検のあいだを埋めるものとしている。すべての弱点を見つけて直すことは約束していない
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先行利用の募集は12月15日まで
ここで、募集の条件を見ておきます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 内容 | Autify Securityを先に使う会社の募集 |
| 対象 | GitHubでプログラムを管理し、ソフトウェアを作っている会社(試験用の環境の指定は任意) |
| 流れ | 申し込むと担当者から連絡があり、状況と希望を聞いたうえで使い方を案内する |
| 受付 | 2026年11月4日から12月15日まで |
料金は、発表には書かれていません。
仕事はどう変わるか:弱点の点検が「ときどき」から「回し続ける」ものへ
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
今回の発表で見えてきたのは、プログラムの「点検の頻度」の変化だと考えています。
これまで、弱点の点検は、専門の会社に頼んで定期的にまとめて行うものでした。AIエージェントが、探す、本当に悪用できるかを確かめる、直す案を作る、もう一度確かめる、までを受け持てば、点検を毎日や毎週のように回せます。しかも、再現できたものだけを知らせるので、間違った警告を1つずつ見分ける手間も減ります。
同じ流れは海外でも広がっています。OpenAIは、自社のAIで弱点を探して直す取り組みを強め(OpenAIの安全の点検の記事)、Anthropicも、弱点を常に点検する「Claude Security」を出しています(Claude Securityの記事)。
AIの力を借りて自分でWebのサービスや道具を作っている個人事業主にとっても、作ったものの弱点を点検する手段が身近になれば、お客様の情報を預かるサービスを出すときの不安を減らせそうです。
使う前に、確かめておきたいこともあります。
・今は先行利用の募集の段階で、料金は発表に書かれていない
・対象は、GitHubでプログラムを管理している会社
・専門家による点検を置きかえるものではなく、すべての弱点を見つけることも約束していない
・試験用の環境で試すときは、自社で管理しているか、許可を得ている環境に限る
まとめ:Autify Securityで、AIエージェントが弱点を探し、確かめて、直す案まで
オーティファイは、複数のAIエージェントがプログラムの弱点を探し、本当に悪用できるかを確かめ、直す案を作って確かめ直す「Autify Security」の先行利用の募集を、12月15日まで行っています。直したあとも、決めた間隔で点検を続けます。
プログラムの弱点の点検が、ときどきまとめて行う仕事から、AIで回し続ける仕事に変わってきた、というのがいちばん大きな変化です。
自社でソフトウェアを作っている会社は、まず、今の点検がどれくらいの間隔で、そのあいだの変更をどう確かめているかを書き出してみるのがよさそうです。
出典
・オーティファイ「オーティファイ、脆弱性対策を『見つける』から『確かめて直す』へ 『Autify Security』アーリーアクセスプログラムを開始」(2026年11月4日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000049466.html
