【医師と患者とのインフォームド・コンセント】
医療で最も大切なのは、医師と患者との信頼関係です。
しかし、日本の医療制度では、医師とのコミニュケーションを十分にとる時間がなく、信頼関係の基本となる対話がほとんどなされていないのが現状です。
薬を服用する場合は、飲み合わせの事故が起きないように医師と患者の間にインフォームド・コンセントが必要です。
インフォームド・コンセントとは、医師が患者に対してこれから受ける検査や治療の方法や意味、効果、危険性、その後の予想や治療にかかる費用などについて分かりやすい説明を十分にし、疑問点などを解消した上で治療の同意を得ることをいいます。
医師は複数の薬を処方する場合、副作用が出ないように細心の注意をします。
しかし、同じ薬でも人によって効き方が違うように、ほかの人には出ない副作用が、ある人には出てしまうということも考えられます。
自分に処方される薬の効果を高め、副作用をできるだけ抑えるためには、次のような点に気をつけることが大切です。
生活習慣や精神状態を話す
その症状がいつから現れたのか、その時の精神状態はどうであったのか、飲食や生活態度に無理はなかったのかなど、日常の生活習慣や精神状態を把握することは、発病の原因を知るきっかけとなります。
特に精神面の変動や長期間緊張状態が続いて精神的負担が重くなると、それが原因となって病気になります。
さらに病気の進行や予後に多大な影響を及ぼします。
病歴や現在服用している薬について話す
既往症の有無、家族の病歴、現在服用している薬についてきちんと話すことが大切です。
例えば、高血圧のために血圧降下剤を服用している人が、湿疹が出たために皮膚科を受診する場合は、現在服用中の薬を皮膚科の医師に伝えるようにします。
内科の医師にも皮膚科で処方された薬を伝えます。
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処方された薬について質問する
処方された薬について理解することは、医師がどういう意図で薬を出しているのか、この薬はどの程度の強さであり副作用が起きる可能性があるのかなど、治療に対する理解を深めることにつながります。
そして医師や薬剤師と直接話すことにより薬に対する不安を解消し、安全に服用することにもつながります。
質問するときは次のようなリストを用意しておくと良いでしょう。
〜質問リスト〜
①薬の名前と効果
症状を正確に認識するのに重要です。効果や働きを誤解すると命にかかわる場合もあります。
②いつ、どのように、どのくらいの期間飲むか
仕事などで定時に服用できない、液状のものを携帯できないなど、処方通りに服用することが困難な場合があります。
ここで質問することにより、病気の状態によっては薬の種類を変更するなどといった個々の状況に合わせた薬の選択が可能となります。
③服用期間中、飲食物、ほかの薬、運動などの制限はあるか
飲み合わせの事故や副作用の危険を防止します。
④副作用はあるか、副作用が出たときの対応
薬の副作用には軽いものから、稀に命にかかわるものまでさまざまです。
質問するときはその初期症状についての知識を得ておくことが大切です。
特に、過去に薬やアレルギー歴がある、妊娠をしている可能性があるという場合は注意が必要です。
薬の服用後
薬を服用していつもと違う様子があった場合、すぐに医師に相談します。
効きすぎや副作用として、発熱や頭痛、だるさ、胃腸の調子が悪いなどの症状が現れるものが大部分ですが、白血球が減少する、肝機能が少しずつ悪化するなど、症状が現れないで起こるものもります。
症状がひどいときは、ひとまず服用を中止して、医師に連絡をとります。
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