新しい仕事が不安なとき「わからないことを聞く」ことで早く慣れることができる!孔子の対策を紹介
新しい仕事が始まる。
覚えることはたくさんありそうで、周りの人とうまくやれるかもわからない。
そんなふうに、新しい仕事を前にして、不安で落ち着かなくなることはありませんか?
新しい仕事が不安なときは、「わからないことを、その場で聞く」ことで、早く仕事に慣れることができます。
なぜなら、新しい仕事の不安の多くは、「わからないことを聞いたら、できない人だと思われる」という心配から生まれているから。
実はこの考え方、約2500年前の中国の古典『論語』に書かれているもの。
孔子は、礼儀に詳しいと知られていたのに、初めて入った場所で、1つひとつ人に尋ねていました。
その姿が、新しい仕事の不安をやわらげる大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 新しい仕事を前にして、不安になってしまう理由
- 『論語』に書かれた、孔子が「何でも尋ねた」場面
- わからないことを聞いて、新しい仕事に早く慣れる方法
この記事を読めば、新しい仕事への不安を減らし、安心して最初の一歩を踏み出せるようになります。
新しい仕事が不安なのは「わからないことを聞けない」と思っているから

新しい仕事が不安になるのは、当たり前のことです。
初めての場所、初めての人、初めての仕事に、不安を感じない人はいません。
ただ、その不安を大きくしているのは、仕事の難しさだけではありません。
「わからないことを聞いたら、できない人だと思われるのでは」という心配が、不安をさらに大きくしているのです。
ここでは、新しい仕事を前にして、不安になってしまう理由を見ていきます。
新しい仕事は、わからないことだらけで当たり前
新しい仕事を始めたばかりの頃は、わからないことばかりです。
・仕事の進め方や、職場の決まりごとがわからない
・誰に何を聞けばいいのか、わからない
・周りの人が使っている言葉の意味が、わからない
前の仕事で経験を積んでいる人ほど、「これくらいわかっていないといけない」と考えがちです。
でも、新しい場所では、どんなに経験のある人でも、わからないことがあって当然なのです。
「できない人だと思われたくない」と思うほど、聞けなくなる
わからないことがあっても、なかなか人に聞けないことがあります。
・こんなことを聞いたら、できない人だと思われそう
・忙しそうな人に、声をかけるのが申し訳ない
・前にも聞いたことを、もう一度は聞きにくい
聞けないまま自分で何とかしようとすると、時間がかかったり、間違えたりしやすくなります。
そうして、「やっぱり自分はできないのでは」と、不安がさらに大きくなってしまうのです。
では、新しい仕事の不安を、どうすれば小さくできるのか。
そのヒントが、約2500年前の『論語』に書かれた、孔子のある場面の中にあります。
論語に学ぶ|わからないことを尋ねるのは、恥ではなく正しい振る舞い

『論語』は、約2500年前の中国の思想家・孔子と、その弟子たちの言葉をまとめた本です。
孔子は、礼儀や作法に詳しいことで知られていました。
そんな孔子が、初めて入った場所で、周りの人を驚かせる振る舞いをしたことがあります。
ここでは、孔子が初めての場所でどう振る舞い、何を語ったのかを紹介します。
孔子は、初めて入った場所で「1つひとつ尋ねた」
孔子が、国の祖先をまつる大切な建物である大廟に、初めて入ったときのことです(八佾篇)。
> 子、太廟に入りて、事毎に問う。
孔子は、大廟に入ると、1つのことをするたびに、そのやり方を人に尋ねました。
それを見たある人は、こう言いました。
「あの人が礼儀に詳しいなどと、誰が言ったのか。大廟に入って、1つひとつ尋ねているではないか」
孔子はそれを聞いて、こう答えました。
> 是れ礼なり。
これこそが礼儀なのだ、という意味です。
初めての場所で、わかったつもりにならず、1つひとつ確かめる。
それこそが、その場所や人を大切にする、正しい振る舞いだと孔子は考えていたのです。
「知らざるは知らずと為せ、是れ知るなり」
孔子は、弟子の子路に、「知る」ということについてこう教えています(為政篇)。
> 之を知るは之を知ると為し、知らざるは知らずと為せ。是れ知るなり。
知っていることは知っているとし、知らないことは知らないとする。
それが、本当に知るということだ、という意味です。
わからないことを、わからないと言えること。
それは、できない証拠ではなく、本当にわかるようになるための第一歩なのです。
ここからは、孔子の考え方を、新しい仕事の不安を小さくするための手順にして紹介していきます。
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新しい仕事が不安なとき「わからないことを聞く」ことで早く慣れることができる

新しい仕事の不安を小さくするために必要なのは、最初から何でもできるようになることではありません。
わからないことを、わからないままにせず、その場で聞くことです。
聞くことに慣れてしまえば、新しい仕事は、ぐっと進めやすくなります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:わからないことを、すぐにメモする
まず、仕事の中でわからないことが出てきたら、すぐにメモします。
・仕事の手順で、わからなかったところ
・意味のわからなかった言葉
・誰に聞けばいいのか、わからなかったこと
わからないことを頭の中だけで抱えていると、不安がふくらみます。
メモに書き出すことで、「何がわからないのか」がはっきりして、聞くことも決めやすくなります。
手順2:聞く相手と、聞くタイミングを決める
次に、誰に、いつ聞くかを決めます。
・仕事の手順は、教えてくれる担当の先輩に
・職場の決まりごとは、近くの席の人に
・急がないことは、昼休みの前や、手の空いていそうなときにまとめて
聞く相手とタイミングが決まっていれば、声をかけるときの迷いが減ります。
相手の都合を考えて聞けば、忙しい人にも気持ちよく答えてもらえます。
手順3:「最初なので確かめさせてください」とひとこと添えて聞く
聞くときは、「最初なので、確かめさせてください」とひとこと添えます。
・「最初なので確かめさせてください。この書類は、どこに出せばいいですか?」
・「念のため確かめさせてください。この作業は、今日中で合っていますか?」
孔子が大廟で1つひとつ尋ねたように、新しい場所で確かめることは、正しい振る舞いです。
ひとこと添えるだけで、聞く側も、答える側も、気持ちよくやりとりできます。
手順4:聞いた答えを、自分の言葉でメモに残す
聞いて教えてもらったことは、自分の言葉でメモに残します。
・教わった手順を、自分がわかる順番で書く
・次に同じことが起きたときのために、ポイントを1行でまとめる
メモに残しておけば、同じことを何度も聞かずにすみます。
メモが増えていくほど、わからないことが減り、新しい仕事に慣れていくのを感じられるはずです。
新しい仕事の不安を小さくする、孔子のもう1つの考え方

わからないことを聞けるようになっても、「早く一人前にならなければ」と焦る気持ちが出てくることがあります。
新しい仕事に慣れるまでには、ある程度の時間がかかるものです。
孔子は、焦る気持ちについても、短い言葉を残しています。
ここでは、新しい仕事に焦らず慣れていくための、孔子の考え方を紹介します。
「速ならんことを欲せば、則ち達せず」
孔子は、町を治めることになった弟子の子夏に、こう教えています(子路篇)。
> 速ならんことを欲する無かれ。小利を見る無かれ。速ならんことを欲せば、則ち達せず。
早く成果を出そうと焦ってはいけない、目先の小さな利益にとらわれてはいけない。
早く成果を出そうとすると、かえって目的を果たせなくなる、という意味です。
新しい仕事でも、早く一人前になろうと焦るほど、聞くべきことを聞かずに進めてしまいがちです。
焦らず、わからないことを1つずつ確かめていくことが、結果として、いちばんの近道になるのです。
まとめ:新しい仕事が不安なときは「わからないことを聞く」を試してみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
新しい仕事が不安なのは「わからないことを聞けない」と思っているから
新しい仕事は、わからないことだらけで当たり前です。
「できない人だと思われたくない」と思うほど聞けなくなり、不安が大きくなってしまいます。
孔子は、初めての場所で1つひとつ尋ね、「これこそが礼儀だ」と語った
礼儀に詳しい孔子も、初めて入った大廟では、1つのことをするたびに人に尋ねました。
知らないことを知らないとすることが、本当に知ることだ、とも教えています。
わからないことをメモし、聞く相手とタイミングを決めて、その場で聞く
わからないことを、すぐにメモする。
聞く相手と、聞くタイミングを決める。
「最初なので確かめさせてください」と添えて聞く。
聞いた答えを、自分の言葉でメモに残す。
新しい仕事の不安は、わからないことを1つずつ聞いていくうちに、少しずつ小さくなっていきます。
あなたが、新しい場所で安心して最初の一歩を踏み出せることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


『論語』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、どれも『論語』に収められています。
全文を訳した、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- 『論語』八佾篇「子入太廟,每事問……子聞之曰:是禮也」、為政篇「知之爲知之,不知爲不知,是知也」、子路篇「無欲速,無見小利。欲速則不達」(原文:Wikisource「論語(漢文叢書)」https://ja.wikisource.org/wiki/論語_(漢文叢書))
