明日仕事に行きたくない夜は「1日を振り返って閉じる」ことで安心して眠れる!ローマの哲学者の対策を紹介
明日、仕事に行きたくない。
日曜日の夜や、休みの最後の日。
布団に入っても明日のことが頭から離れず、時計ばかり見てしまう。
そんなふうに、明日の仕事を思って眠れなくなることはありませんか?
明日仕事に行きたくない夜は、寝る前に「1日を振り返って閉じる」ことで、安心して眠れます。
なぜなら、夜に明日のことが頭から離れないのは、今日という日が終わらないまま、気持ちが明日に飛んでしまっているから。
実はこの考え方、約2000年前のローマの哲学者セネカが、自分の毎晩の習慣として書き残したもの。
セネカは、明かりを消したあと、その日1日を自分の前で振り返ってから眠っていました。
その習慣が、明日が重く感じる夜を、少し楽にする大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 夜になると、明日の仕事に行きたくない気持ちが強くなる理由
- ローマの哲学者セネカが毎晩続けていた「1日の振り返り」
- 寝る前に1日を振り返って閉じ、安心して眠る方法
この記事を読めば、明日が気になる夜でも、気持ちを落ち着けて眠りにつけるようになります。
夜に明日の仕事へ行きたくなくなるのは、今日が終わらないまま気持ちが明日に飛んでいるから

明日仕事に行きたくないと感じるのは、めずらしいことではありません。
休みの終わりが近づけば、誰でも少し気持ちが重くなるものです。
ただ、夜になるとその気持ちがとくに強くなるのには、理由があります。
今日という1日を終えないまま、気持ちだけが明日の仕事に飛んでいってしまうからです。
ここでは、夜になると、明日の仕事に行きたくない気持ちが強くなる理由を見ていきます。
夜は、明日の嫌なことばかりが浮かんでくる
夜、静かになると、明日のことが次々に浮かんできます。
・朝いちばんの会議で、何か言われるかもしれない
・たまっている仕事を、片づけられるだろうか
・苦手な人と、また顔を合わせなければならない
昼間は気にならなかったことも、夜になると大きく感じられます。
まだ起きていない明日の出来事を、布団の中で何度も体験してしまうのです。
今日のことが片づいていないと、明日がさらに重くなる
明日が重く感じる夜は、今日のことも、頭の中で片づいていないことが多いものです。
・今日やり残したことが、気になっている
・今日の失敗や、言われたひとことを、まだ引きずっている
・休みを思うように過ごせなかった、という後悔がある
今日が終わっていないまま明日のことを考えると、2日分の重さを同時に背負うことになります。
だから、夜の「行きたくない」は、昼間よりもずっと重く感じられるのです。
では、明日が気になる夜を、どう過ごせばいいのか。
そのヒントを、約2000年前のローマの哲学者セネカが、自分の習慣として書き残しています。
セネカに学ぶ|1日を振り返って閉じれば、そのあとの眠りは安らかになる

セネカは、約2000年前のローマで活躍した哲学者です。
皇帝ネロの教育係を務めたことでも知られています。
そのセネカが、怒りとの付き合い方について書いた『怒りについて』という本があります。
その中で、セネカは、自分が毎晩続けている習慣について語っています。
ここでは、セネカの毎晩の習慣を紹介します。
セネカは毎晩、その日1日を自分の前で振り返っていた
セネカは、『怒りについて』第3巻で、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 明かりが片づけられ、私の習慣を知っている妻が話をやめると、私はその日1日のすべてを自分の前で振り返り、自分の言ったこと、したことをたどり直す。自分に何も隠さず、何も飛ばさない。
セネカは、哲学者セクスティウスの習慣にならって、この振り返りを毎晩続けていました。
1日の終わりに、その日の自分と向き合う時間をとっていたのです。
「この振り返りのあとの眠りは、なんと心地よいことか」
セネカは、この習慣について、こうも書いています(訳は筆者によるもの)。
> 1日のすべてを見直すこの習慣ほど、すばらしいものがあるだろうか。この振り返りのあとに訪れる眠りは、なんと心地よく、なんと穏やかで、深く、わずらいのないものだろう。
さらにセネカは、自分の至らなかったところを見つけても、自分を責めるのではなく、「今回は許そう。次からは気をつけなさい」と自分に言えるのだから、何も恐れることはない、と書いています。
1日を振り返るのは、反省して落ち込むためではありません。
今日という日にきちんと区切りをつけて、安心して眠るためなのです。
ここからは、セネカの習慣を、明日仕事に行きたくない夜に使える手順にして紹介していきます。
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明日仕事に行きたくない夜は「1日を振り返って閉じる」ことで安心して眠れる

明日が気になる夜に必要なのは、明日のことを考えないように我慢することではありません。
今日という1日を振り返って、きちんと閉じることです。
今日が閉じれば、明日のことは明日の自分に任せて、眠りにつけるようになります。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:寝る30分前に、今日あったことを3つ書く
寝る30分前になったら、今日あったことを3つ書きます。
・午前中に、たまっていた洗濯を片づけた
・昼に、家族とゆっくりごはんを食べた
・夕方、少し昼寝をした
良いことでも、何でもないことでもかまいません。
書き出すことで、「今日という日は、たしかにあった」と確かめられます。
手順2:気になっていることに「今回は許そう」と書き添える
今日のことで気になっていることがあれば、それも書いて、ひとこと添えます。
・やろうと思っていた掃除ができなかった → 今回は許そう。来週の土曜にやる
・金曜日のミスを思い出して落ち込んだ → 今回は許そう。月曜に確かめる
・休みをだらだら過ごしてしまった → 今回は許そう。体が休みを求めていた
セネカが自分にかけていた言葉を、そのまま使います。
許して、次にどうするかを1つ書けば、そのことは今日のうちに閉じられます。
手順3:明日の「最初の1つ」だけを決める
次に、明日のことは、「最初にやること」を1つだけ決めます。
・出社したら、まずメールを確かめる
・朝いちばんに、会議の資料に目を通す
・着いたら、まず温かいお茶をいれる
明日の全部を考える必要はありません。
最初の1つが決まっていれば、明日の朝は、そこから始めればいいとわかります。
手順4:紙を閉じて、明日のことは明日に任せる
最後に、書いた紙やノートを閉じます。
・ノートを閉じて、かばんの中にしまう
・スマホは、布団から手の届かない所に置く
・明かりを落として、ゆっくり息を吐く
紙を閉じることが、今日を閉じる合図です。
そのあとに明日のことが浮かんでも、「最初の1つは決めてある」と思い出せば、それ以上考えなくてすみます。
明日への気持ちを軽くする、ローマ皇帝の考え方

1日を振り返って閉じても、明日のことがふと気になる夜はあります。
そんなときに思い出したい言葉を、ローマ皇帝マルクス・アウレリウスが残しています。
皇帝は、約1850年前、自分に言い聞かせる言葉を日記に書き続けました。
ここでは、明日への気持ちを軽くする、皇帝の考え方を紹介します。
「未来のことに心を乱されるな」
マルクス・アウレリウスは、『自省録』第7巻に、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 未来のことに心を乱されるな。必要があれば、今のことに向き合っているのと同じ理性を携えて、その時にたどり着くのだから。
明日の会議も、明日の仕事も、明日になれば、明日の自分が向き合います。
今日の自分がこれまで何とかやってきたように、明日の自分も、きっと何とかやっていけます。
今夜の自分の仕事は、明日のことを心配することではありません。
しっかり眠って、明日の自分に、元気な体を渡してあげることなのです。
まとめ:明日仕事に行きたくない夜は「1日を振り返って閉じる」を試してみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
夜に明日の仕事へ行きたくなくなるのは、今日が終わらないまま気持ちが明日に飛んでいるから
夜は、明日の嫌なことばかりが浮かんできます。
今日のことが片づいていないと、2日分の重さを同時に背負うことになります。
セネカは毎晩、その日1日を振り返ってから眠っていた
自分に何も隠さず1日をたどり直し、「今回は許そう」と自分に言う。
その振り返りのあとの眠りは、心地よく穏やかだとセネカは書いています。
今日あったことを3つ書き、気になることを許して、明日の最初の1つだけ決める
寝る30分前に、今日あったことを3つ書く。
気になっていることに、「今回は許そう」と書き添える。
明日の「最初の1つ」だけを決める。
紙を閉じて、明日のことは明日に任せる。
明日が重く感じる夜は、誰にでもあります。
あなたが、今日という日をやさしく閉じて、安心して眠りにつけることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


『怒りについて』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介したセネカの習慣は、『怒りについて』に収められています。
日本語訳は、岩波文庫で読むことができます。
参考文献
- セネカ『怒りについて』第3巻第36章(英訳:Aubrey Stewart 訳 “Of Anger”、Wikisource https://en.wikisource.org/wiki/Of_Anger/Book_III)
- マルクス・アウレリウス『自省録』第7巻第8節(英訳:George Long 訳、The Internet Classics Archive https://classics.mit.edu/Antoninus/meditations.html)
