幸せなお金の使い方の見つけ方:「経験」と「人のため」に使うのがコツ!研究と孔子の教えを紹介
お金を使っても、なぜか満たされない。
欲しかったものを買ったのに、うれしいのはほんの数日だけ。
気づけばまた次のものが欲しくなっていて、お金は減るのに、幸せは増えていない気がする。
そんなふうに、幸せなお金の使い方がわからなくなることはありませんか?
幸せなお金の使い方は、お金を「経験」と「人のため」に使うことで見つけられます。
なぜなら、同じ金額でも、モノに使うより経験に使うほうが、自分のために使うより人のために使うほうが、幸せを感じやすいことが、研究で報告されているから。
そしてこの考え方は、約2500年前の中国の古典『論語』に書かれた、孔子の教えとも重なります。
孔子は、お金は、すでに豊かな人をさらに豊かにするためではなく、困っている人を助けるために使うものだと語っていました。
研究と古典の両方が、幸せなお金の使い方を見つける大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- お金を使っても、満たされた気持ちになれない理由
- 研究でわかった、幸せを感じやすいお金の使い方
- 「経験」と「人のため」にお金を使って、幸せを感じる方法
この記事を読めば、同じお金でも、もっと満たされた気持ちになれる使い方ができるようになります。
お金を使っても満たされないのは、モノの喜びにすぐ慣れてしまうから

お金を使えば、欲しいものが手に入ります。
それなのに満たされないのは、お金の使い方が悪いからとは限りません。
人の心には、手に入れたものに、すぐ慣れてしまう性質があります。
そのため、モノを買う喜びは、思っているよりずっと早く薄れてしまうのです。
ここでは、お金を使っても、満たされた気持ちになれない理由を見ていきます。
手に入れたモノには、すぐに慣れてしまう
新しいものを買ったときの気持ちを、思い出してみてください。
・新しいスマホを買った日は、何度も手にとって眺めた
・欲しかった服を買った週は、着るたびにうれしかった
・でも1か月たつと、どちらも当たり前になっていた
手に入れた瞬間がいちばんうれしく、そのあとは少しずつ慣れていきます。
慣れてしまうと、また新しい何かが欲しくなってしまうのです。
人と比べて買ったものは、すぐに色あせる
満たされないお金の使い方には、もう1つ共通点があります。
・周りの人が持っているから、自分も買った
・人に見られても恥ずかしくないものを、選んだ
・流行っているから、なんとなく買った
人と比べて買ったものは、もっと良いものを持っている人を見たとたんに、色あせてしまいます。
比べる相手がいるかぎり、満足は長続きしないのです。
では、どんなお金の使い方なら、幸せを感じられるのか。
そのヒントが、心理学の研究と、約2500年前の『論語』の中にあります。
研究に学ぶ|経験と人のために使ったお金は、幸せを感じやすい

お金の使い方と幸せの関係は、心理学の分野で、何度も調べられてきました。
その中から、よく知られている2つの研究を紹介します。
どちらも、お金の「額」ではなく、「使い道」に注目した研究です。
ここでは、研究でわかった、幸せを感じやすいお金の使い方を紹介します。
モノより「経験」に使ったほうが、幸せを感じやすい
アメリカの心理学者ヴァン・ボーヴェンとギロヴィッチは、2003年に、モノを買うことと、経験にお金を使うことを比べた研究を発表しています。
この研究では、参加した人たちに、モノを買ったときのことと、旅行や食事や習いごとなどの経験にお金を使ったときのことを、それぞれ思い出してもらいました。
すると、経験にお金を使ったときのほうが、自分を幸せにしてくれたと答える人が多かったと報告されています。
モノは、手に入れたあと、少しずつ慣れていきます。
でも、経験は、思い出として残り、あとから何度も味わい直すことができます。
時間がたつほど、経験の価値は大きくなっていくのです。
自分より「人のため」に使ったほうが、幸せを感じやすい
カナダとアメリカの研究者ダン、アクニン、ノートンは、2008年に、お金を人のために使うことと幸せの関係を調べた研究を発表しています。
その中の実験では、大学生に5ドルか20ドルを渡し、その日のうちに使ってもらいました。
自分のために使うようお願いした人と、誰かのために使うようお願いした人に分けて、その夜の気持ちを尋ねました。
すると、人のために使った人のほうが、幸せを感じていたと報告されています。
金額が5ドルでも20ドルでも、同じ傾向だったといいます。
大きな金額でなくてもかまいません。
誰かのために使ったという事実が、自分の気持ちを満たしてくれるのです。
ここからは、この2つの研究を、毎日のお金の使い方に生かす手順にして紹介していきます。
スポンサーリンク
幸せなお金の使い方の見つけ方:「経験」と「人のため」に使うのがコツ

幸せなお金の使い方を見つけるために必要なのは、たくさんのお金を用意することではありません。
今使っているお金の一部を、「経験」と「人のため」に向け直すことです。
使う額は同じでも、使い道を変えるだけで、満たされ方が変わってきます。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:先月のお金の使い道を、3つに分けてみる
まず、先月使ったお金のうち、暮らしに必要な分を除いた「自由に使ったお金」を、3つに分けます。
・モノに使ったお金:服、家電、雑貨など
・経験に使ったお金:外食、旅行、映画、習いごとなど
・人のために使ったお金:贈りもの、家族へのおみやげ、寄付など
だいたいの金額でかまいません。
分けてみると、自分のお金がどこに多く流れているのかが見えてきます。
手順2:満たされた気持ちが続いた使い道に、印をつける
次に、その中で、あとから思い出してもうれしい気持ちになる使い道に、印をつけます。
・友人と行った食事 → 今思い出しても楽しい
・母に贈った花 → 喜んだ顔を覚えている
・セールで買った服 → 一度着たきりになっている
印がついた使い道が、自分にとっての「幸せなお金の使い方」です。
研究の結果と、自分の実感が重なるかどうかも、確かめてみてください。
手順3:来月、「経験」に使う予定を1つ入れる
来月の予定に、経験にお金を使うことを1つ入れます。
・行ってみたかったお店で、食事をする
・気になっていた映画や展覧会に、出かける
・日帰りで、行ったことのない町を歩いてみる
経験は、予定を立てて楽しみに待つ時間も、終わったあとに思い出す時間も、楽しみのうちです。
1つの経験で、何度も幸せを味わうことができます。
手順4:来月、「人のため」に使う予定を1つ入れる
同じように、人のためにお金を使うことも、1つ入れます。
・家族に、好きなお菓子を買って帰る
・お世話になった人に、小さなお礼を贈る
・応援したい団体に、少しだけ寄付をする
金額は、数百円でも十分です。
相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら選ぶ時間が、もう幸せな時間になっています。
お金の向け先を考えるための、孔子の教え

研究が示した「人のために使うと幸せを感じやすい」という結果は、じつは、古くから語られてきたこととも重なります。
約2500年前の中国の思想家・孔子も、お金の向け先について、はっきりとした考えを持っていました。
ここでは、『論語』に書かれた、孔子の教えを紹介します。
「君子は急を周いて、富めるに継がず」
あるとき、孔子の弟子の1人が、遠くへ使いに出ることになりました。
別の弟子が、留守を守るその母親のために、たくさんの穀物を届けました。
それを知った孔子は、使いに出た弟子がりっぱな馬に乗り、上等な服を着ていたことを挙げて、こう言いました(雍也篇)。
> 君子は急に周して、富めるに継がず。
すぐれた人は、さしせまって困っている人を助けるが、すでに豊かな人に、さらに足すようなことはしない、という意味です。
孔子は、お金を出すこと自体を、止めたわけではありません。
お金は、本当に必要としている人のところへ向けるものだ、と教えたのです。
自分のお金を、誰のために、何のために使うのか。
その向け先を考えることが、幸せなお金の使い方の出発点になります。
まとめ:幸せなお金の使い方は「経験」と「人のため」に使ってみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
お金を使っても満たされないのは、モノの喜びにすぐ慣れてしまうから
手に入れたモノには、すぐに慣れてしまいます。
人と比べて買ったものは、もっと良いものを見たとたんに色あせてしまいます。
研究では、「経験」と「人のため」に使ったお金のほうが、幸せを感じやすいと報告されている
経験は思い出として残り、あとから何度も味わい直せます。
少しの金額でも、人のために使った人のほうが、幸せを感じていました。
使い道を3つに分け、満たされたものに印をつけて、来月の予定に入れる
先月のお金の使い道を、3つに分けてみる。
満たされた気持ちが続いた使い道に、印をつける。
来月、経験に使う予定を1つ入れる。
来月、人のために使う予定を1つ入れる。
幸せなお金の使い方は、お金の多さではなく、向け先で決まります。
あなたが、自分らしいお金の使い方を見つけて、満たされた毎日を送れることを、心から応援しています。
同じようにお金に悩むときに役立つ記事です。


『論語』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、どれも『論語』に収められています。
全文を訳した、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- Van Boven, L., & Gilovich, T. (2003). To do or to have? That is the question. Journal of Personality and Social Psychology, 85(6), 1193–1202.
- Dunn, E. W., Aknin, L. B., & Norton, M. I. (2008). Spending money on others promotes happiness. Science, 319(5870), 1687–1688.
- 『論語』雍也篇「君子周急不繼富」(原文:Wikisource「論語(漢文叢書)」https://ja.wikisource.org/wiki/論語_(漢文叢書))
