仕事のクレームで落ち込んだとき「3行に書き直す」ことで気持ちを立て直せる!ローマ皇帝の対策を紹介
お客さんから、厳しいクレームを受けた。
強い言葉をぶつけられ、頭を下げ続けたあとも、言われた言葉が耳から離れない。
家に帰っても、あのときの場面を何度も思い出して、気持ちが沈んだまま。
そんなふうに、仕事のクレームで落ち込んでしまうことはありませんか?
仕事のクレームで落ち込んだときは、受けたクレームを「3行に書き直す」ことで、気持ちを立て直せます。
なぜなら、クレームで落ち込む理由の多くは、相手の強い言葉をそのまま、自分への評価として受け取ってしまうことにあるから。
実はこの考え方、約1850年前のローマ皇帝マルクス・アウレリウスが、自分のために日記に書き残したもの。
皇帝は、人の言動に腹が立ったときや傷ついたときに思い出すべきことを、いくつも書き並べていました。
その言葉が、クレームで沈んだ気持ちを立て直すための大きなヒントになります。
この記事を読むとわかること
- 仕事のクレームで、深く落ち込んでしまう理由
- ローマ皇帝が日記に書いた、人の言動に傷ついたときの考え方
- クレームを「3行に書き直して」、気持ちを立て直す方法
この記事を読めば、クレームを受けた日でも、自分を責めすぎずに、次の仕事に向かえるようになります。
クレームで落ち込むのは、相手の強い言葉を自分への評価として受け取ってしまうから

クレームで落ち込むのは、それだけお客さんのことを大切に考えているからです。
どうでもいいと思っていれば、ここまで心が揺れることはありません。
ただ、落ち込みを深くしているのは、クレームの中身だけではありません。
相手の強い言葉や態度を、そのまま「自分はだめだ」という評価として受け取ってしまうことが、心を沈ませているのです。
ここでは、仕事のクレームで、深く落ち込んでしまう理由を見ていきます。
強い言葉ほど、何度も頭の中で繰り返される
クレームを受けたあと、こんなことが起きていませんか。
・言われた言葉を、帰り道に何度も思い出してしまう
・相手の怒った顔が、頭から離れない
・寝る前に、もっとうまく対応できたのではと考えてしまう
強い言葉は、記憶に深く残ります。
その場では数分の出来事でも、頭の中で何度も繰り返すうちに、心の傷はどんどん深くなってしまうのです。
クレームの中身と、相手の怒りが混ざっている
クレームには、2つのものが混ざっています。
・こちらに直すべきところがあった、という「中身」
・相手の怒りや、いらだちといった「感情」
この2つが混ざったまま受け止めると、相手の怒りの大きさが、そのまま自分の失敗の大きさのように感じられます。
本当は小さな行き違いでも、とても大きな失敗をしたように思えてしまうのです。
では、クレームで落ち込んだ気持ちを、どう立て直せばいいのか。
そのヒントを、約1850年前のローマ皇帝が、自分の日記に書き残しています。
ローマ皇帝に学ぶ|人の怒りには理由があり、穏やかさは怒りに負けない

マルクス・アウレリウスは、161年から180年までローマ帝国を治めた皇帝です。
皇帝のもとには、毎日のように、不満や訴えを抱えた人がやってきました。
強い言葉をぶつけられることも、少なくなかったはずです。
ここでは、皇帝が日記の中で、人の言動に傷ついたときのために書き並べた考えの中から、2つを紹介します。
怒っている人も、自分が正しいと思うことをしている
マルクス・アウレリウスは、『自省録』第11巻で、人の言動に腹が立ったときに思い出すべきことを、9つ書き並べています。
その中で、皇帝はこう書いています。
人がよくない振る舞いをするとき、その人は、わざとそうしているのではない。
知らないまま、望まないまま、そうしてしまっているのだ、と。
クレームを言う人も、困っていたり、不安だったりして、それをどう伝えればいいかわからずに、強い言葉になっていることがあります。
相手の怒りは、あなたという人への評価ではなく、相手が抱えている困りごとの表れなのです。
「心からの穏やかさは、何にも負けない」
皇帝は、同じ節の9つめに、こう書いています(訳は筆者によるもの)。
> 心からの穏やかさは、何にも負けない。それが見せかけの笑顔や演技でなければ。どれほど激しい人でも、あなたが穏やかであり続けるなら、あなたに何ができるだろう。
相手が強い言葉をぶつけてきても、こちらが穏やかでいれば、その言葉に心まで支配されることはありません。
穏やかさは、相手に負けることではなく、自分の心を守る、いちばん強い方法なのです。
ここからは、皇帝の考え方を、仕事のクレームで落ち込んだときに使える手順にして紹介していきます。
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仕事のクレームで落ち込んだとき「3行に書き直す」ことで気持ちを立て直せる

クレームで落ち込んだ気持ちを立て直すために必要なのは、言われた言葉を何度も思い返すことではありません。
クレームを、自分が次に生かせる形に、短く書き直すことです。
書き直すことで、相手の感情と、受け止めるべき中身が分かれ、気持ちが整っていきます。
それでは、4つの手順に分けて紹介します。
手順1:落ち着いてから、クレームの内容を書き出す
まず、少し気持ちが落ち着いてから、受けたクレームの内容を書き出します。
・何について、どんな不満を言われたのか
・相手は、何に困っていたのか
・自分は、どう対応したのか
言われた強い言葉を、一字一句書き写す必要はありません。
何が起きたのかを、できるだけ落ち着いた言葉で書きます。
手順2:「3行」に書き直す
次に、書き出した内容を、次の3行に書き直します。
・事実:〇月〇日、商品の届く日が予定より2日遅れたことへのお叱りを受けた
・相手の困りごと:大事な日に間に合わず、困っていた
・次の対策:届く日が遅れそうなときは、前もって連絡を入れる
この3行には、相手の怒りの言葉は入りません。
皇帝の言うとおり、相手の怒りは、相手の困りごとの表れとして書き直すのです。
手順3:自分の対応で、できていたことを1つ書く
3行を書いたら、クレームへの自分の対応で、できていたことを1つ書きます。
・最後まで、落ち着いて話を聞くことができた
・すぐに上司に報告して、対応を相談できた
・言い訳をせず、まず謝ることができた
クレームの日は、できなかったことばかりが心に残ります。
でも、対応の中で、きちんとできていたこともあるはずです。
それを書き出すことで、自分への評価を、少し正しい大きさに戻せます。
手順4:3行を書いた紙を閉じて、その日は終わりにする
最後に、書いた紙を閉じて、そのクレームのことは、その日はもう考えないと決めます。
・次の対策は、明日の朝に上司や同僚と共有する
・帰り道は、好きな音楽を聴いたり、景色を眺めたりする
・家に帰ったら、温かいものを食べて、早めに休む
3行に書き直したことで、次にやるべきことは、もう決まっています。
あとは、明日の自分に任せて大丈夫です。
自分を責めすぎないための、ローマ皇帝のもう1つの考え方

3行に書き直しても、「自分のせいで、お客さんに迷惑をかけてしまった」と、自分を責める気持ちが残ることもあります。
そんなときに思い出したい言葉も、皇帝は同じ節の中に残しています。
ここでは、自分を責めすぎないための、皇帝の考え方を紹介します。
自分も、人も、間違えることがある
マルクス・アウレリウスは、人の言動に腹が立ったときに思い出すべきことの1つとして、こう書いています。
自分もまた、多くの間違いをする人間だということを思い出せ、と。
この言葉は、相手を許すためのものですが、自分を許すためにも使えます。
人は誰でも、間違えることがあります。
お客さんも、同僚も、そしてあなた自身も。
クレームを受けたのは、仕事をしていれば、誰にでも起こりうることです。
大切なのは、間違えないことではなく、間違えたあとに、次にどうするかを決められることなのです。
まとめ:仕事のクレームで落ち込んだときは「3行に書き直す」を試してみよう!

最後に、この記事のポイントをまとめます。
クレームで落ち込むのは、相手の強い言葉を自分への評価として受け取ってしまうから
強い言葉ほど、頭の中で何度も繰り返され、心の傷が深くなります。
クレームの中身と相手の怒りが混ざると、失敗が実際より大きく感じられてしまいます。
ローマ皇帝は「心からの穏やかさは、何にも負けない」と書いた
人がよくない振る舞いをするのは、知らないまま、望まないまま、そうしてしまっているから。
穏やかであり続けることは、自分の心を守る、いちばん強い方法です。
クレームを書き出し、事実・相手の困りごと・次の対策の3行に書き直す
落ち着いてから、クレームの内容を書き出す。
事実・相手の困りごと・次の対策の3行に書き直す。
自分の対応で、できていたことを1つ書く。
3行を書いた紙を閉じて、その日は終わりにする。
クレームで落ち込むのは、それだけお客さんのことを大切に考えているからです。
あなたが、自分を責めすぎることなく、また明日、穏やかな気持ちで仕事に向かえることを、心から応援しています。
同じように仕事に悩むときに役立つ記事です。


『自省録』を読んでみたいあなたへ
この記事で紹介した言葉は、マルクス・アウレリウスの『自省録』に収められています。
日本語訳は、訳者の違う2冊があります。
参考文献
- マルクス・アウレリウス『自省録』第11巻第18節(英訳:George Long 訳、The Internet Classics Archive https://classics.mit.edu/Antoninus/meditations.html)
