「骨訴訟症」ではなく「骨粗鬆症」と文字に。Nishikaが、院内だけで動くAI議事録向けに、医療の言葉に強い音声認識を期間限定で無料に
・国内のNishikaが2026年11月2日、外のクラウドに音声を送らずに使えるAI議事録「SecureMemo」のオンプレミス型で、医療に特化した音声認識モデル「shirushi-1.5-medical」を無料で使えるキャンペーンを始めた
・病名、医薬品名、体の部位の名前など、約12万語の医療の専門用語を学ばせたモデルで、Nishikaの調べでは、名詞の聞き間違いの割合が16ポイント改善した
・対象は、これから導入を考える医療・ヘルスケアの事業者。2週間の無料の試用で実際の音声を使って確かめられ、受付は予告なく終わる場合がある
Nishikaは2026年11月2日、医療・ヘルスケアの事業者向けに、医療の言葉に強いAIの音声認識を、期間限定で無料にすると発表しました。
病院では、カンファレンスや委員会のあとに、録音を聞き返して記録をまとめる作業があります。AIの文字起こしを使っても、病名や薬の名前が別の言葉に変わって、1つずつ直す手間がかかることがあります。患者の情報を含む音声を、外のクラウドに送りにくいという事情もあります。今回の発表は、この2つの悩みに応えるものです。
この記事では、Nishikaの発表で分かったことを整理したうえで、ふだんの仕事がどう変わるのかを考えます。
約12万語の医療の言葉を学ばせた音声認識
まずは、モデルの中身です。
Nishikaの発表によると、次のとおりです。
・「shirushi-1.5-medical」は、Nishikaが自社で作った音声認識モデル「shirushi-1.5」に、医療用語の辞書「JMED-DICT」をもとにした約12万語(病名・医薬品名・部位名)を学ばせ直したもの
・読みにくい医療の言葉を含むNishika独自のデータで比べたところ、名詞の聞き間違いの割合(noun-WER)が16ポイント改善した(Nishika調べ)
・発表では、前のモデルが「骨訴訟症」と書いた言葉を、「骨粗鬆症」と正しく書いた例を示している
音声も記録も、院内から出さない
次に、AI議事録の使い方です。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 処理の場所 | 音声の取り込みから文字起こし、要約、議事録づくりまで、院内の端末やサーバーで行う |
| ネットへのつながり | 音声や文字を外のクラウドに送らない。インターネットにつながっていない環境でも動く |
| 形 | 端末1台で使う形、USBドングルの形、院内のサーバーで動かす形から選べる |
| 要約の扱い | AIの要約は下書きで、医療従事者や担当者が確かめて仕上げる |
| 想定する場面 | 院内のカンファレンスや委員会、診療、学会・研究会、製薬会社の担当者の面談の記録など |
SecureMemoのオンプレミス型は、警察や官公庁、自治体でも使われているとしています。
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無料のキャンペーンの中身
ここで、キャンペーンの条件を見ておきます。
・対象:これからSecureMemoのオンプレミス型の導入を考える医療・ヘルスケアの事業者
・内容:医療特化の音声認識モデルを無料で使える。2週間の無料の試用で、実際の音声を使って確かめられる
・受付:2026年11月2日から期間限定。予告なく終わる場合がある
・申し込み:キャンペーンのページの「導入・トライアル相談」から
製品そのものの料金は、発表には書かれていません。
仕事はどう変わるか:「外に出せない録音」の文字起こしが、専門の言葉ごと任せられるように
ここからは、公式の情報をもとにした僕の見方です。
今回の発表で見えてきたのは、AIの文字起こしの「専門の分野への広がり」だと考えています。
文字起こしのAIは、ふつうの会話ではかなり正確になりましたが、専門の言葉が多い場面では、まだ直す手間が残ります。分野の言葉を学ばせたモデルを、外にデータを出さない形で使えれば、医療のように情報の扱いが厳しい現場でも、記録づくりの手間を減らせます。外に出さずに使える文字起こしのAIは、NVIDIAが10月28日に中身を公開した「Nemotron 3.5 Transcribe」(Nemotron 3.5 Transcribeの記事)のように、海外でも増えています。
医療に限らず、法律や製造、金融など、専門の言葉が多く、録音を外に出しにくい仕事でも、同じ流れが広がりそうです。
専門の分野で、聞き取りや打ち合わせの記録を自分でまとめている個人事業主にとっても、分野に合った文字起こしの道具を選ぶと、直す時間をかなり減らせそうです。
あわせて、知っておきたいこともあります。
・聞き間違いが16ポイント改善したという結果は、Nishikaが自社のデータで調べたもの
・キャンペーンの対象は、医療・ヘルスケアの事業者で、オンプレミス型の導入を考えている人
・AIの要約は下書き。記録として使う前に、医療従事者や担当者が中身を確かめる
・患者の情報を扱う仕組みを入れるときは、病院の情報管理の担当と、決まりに合うかを確かめる
まとめ:Nishikaが、院内で完結するAI議事録向けの医療特化の音声認識を無料に
Nishikaは、院内の端末やサーバーだけで文字起こしから要約までを行うAI議事録「SecureMemo」のオンプレミス型で、約12万語の医療の言葉を学ばせた音声認識モデルを、期間限定で無料で使えるようにしました。名詞の聞き間違いの割合は、Nishikaの調べで16ポイント改善しています。
文字起こしのAIが、外にデータを出さずに、専門の言葉まで正しく書ける形で、現場に入り始めた、というのがいちばん大きな変化です。
録音を外に出しにくい現場の人は、まず2週間の試用のような機会に、ふだんの会議の録音で、専門の言葉がどこまで正しく書けるかを確かめてみるのがよさそうです。
出典
・Nishika「『骨訴訟症』ではなく『骨粗鬆症』と正しく文字に。オンプレミス型AI議事録SecureMemo、医療・ヘルスケア事業者向けに医療特化音声認識モデルを期間限定で無料に」(2026年11月2日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000052152.html
